ウィリアム・ファイフ設計の現存するヨットの写真集
スコットランドの名デザイナーの手になる現存する名艇を集めた写真集。写真家フランコ・ペースの労作です写真集・本の解説
ウィリアム・ファイフ(1857-1944)は、スコットランドのヨットビルダーの家に生まれた3代目で、1890年からヨット建造の仕事を始めました。その置かれた立場を充分に活かし、英国有数のヨットビルダーとなり、紅茶王リプトン卿のアメリカズカップ挑戦艇Shamrock、Shamrock?を建造、敗れはしたもののチャールズ・ニコルソンと並び英国勢では新時代のレース艇を設計できる数少ない存在でした。彼の名声が今日まで続くのは、現代の水準から見れば船足は速くはないものの、その素晴らしい乗り心地を愛したオーナー達によって、今日まで残されたヨットが多いことによります。ファイフのヨットは丈夫で、大きなレストアが必要なことは稀で、現在でも何と100艇ほどが現存しています。
本書はウッデンボートの3部作(ニコルソン、およびスパークマン&ステファンス、そしてファイフ)の中でも写真家フランコ・ペースが最も情熱を注いだ一冊で、写真だけでなく文章も全て自ら書き、さらにファイフによる設計図も自身で発掘し掲載しています。さらに、ファイフのフネといえば、フランスの英雄、エリック・タバリーのPen Duick。タバリーは愛艇Pen Duickから1998年、Pen Duickの100歳を祝うためにスコットランド里帰りの航海の途中に落水して亡くなりますが、その直前に本書のための前書きを書きました。60年間ファイフのフネに乗っていた世界的なヨットレーサーの言葉も胸にしみるものがあります。
写真家・著者・編者について
フランコ・ペースは1942年生まれ、ヴェネツィア湾を望むイタリア・トリエステをベースに、20年以上に渡って世界中を回りヨットや船を撮り続ける写真家です。良く知られるヨットやノーチカル関連の出版社との契約も数多く持っており、パブリシティ関連に加えポスター、カレンダー、写真集など、コンスタントに年間1000枚以上の写真をリリースしています。どちらかといえば、セーリング、ヨッティングの躍動感をダイナミックに写しはするものの、芸術的というよりは生々しくリアルな作風が特徴で、その写真は欧米の主要なボーティング・ヨッティングの雑誌の紙面を飾り、彼の出版界とヨッティング・セーリング誌の愛読者への貢献は計り知れないといわれています。
クラシックヨットに対する畏敬の念も強く、アメリカのWooden Boat Books社より出版された"Sparkman & Stephens"、 "Charles E. Nicholson and His Yachts"、 "William Fife"、この20世紀前半に活躍した3人(2人+1組)の名ヨットデザイナーのフネを取り上げた3部作では、現存するクラシックヨットの写真の撮影はもとより、キャプションも自ら書き、一部では他所からの写真を発掘するにまで及び、まさに彼の努力によって往年の古きよき時代のヨットの名設計者の仕事を我々が目にすることができました。
本 写真集の仕様・概要
書名 : William Fife, Master of the Classic Yacht ウィリアム・ファイフ、マスター・オブ・ザ・クラシック・ヨット体裁 : ハードカバー、函入り、160ページ、265mm X 355mm、英語
著者 : Franco Pace フランコ・ペース
出版 : Wooden Boat Publications 1998年
ISBN : 0937822493
現地参考価格(本体表示価格) : $69.95(USA)














