ブルーリボン競争のクロニカル
大西洋横断の最速記録を更新した客船に与えられる称号ブルーリボン。本書はブルーリボンライナーのクロニカルで、ブリーリボン競争のことについて書かれたものとしては数少ないもののひとつです。写真集・本の解説
今日では当たり前のことも当時は永遠に不可能と思われてました。誰もが風力を利用する帆船こそが大洋を渡る永遠の交通手段だと考えていました。1838年、船首飾りに星を持つ一匹の犬をつけた一隻の船ーシリウス号は史上初めて機関だけを使用して英国から大西洋を横断してニューヨークに入港、所要時間は18日と10時間、速力6.7ノットでした。帆船の速力に劣ったものの、風任せの帆船では難しかった定期運行の道はこの時開かれ、一世紀後には3日と21時間、30.99ノット(クィンーンメリーの記録)で大西洋を横断することになります。シリウス以来、大西洋航路での客船のスピード競争は国の威信を賭けて争われ、最速記録を更新した船があるときに青いリボンをマストに掲げたことから、非公式に”ブルーリボン”というタイトルが冠されました。(後年、英国ビショップロック礁灯台からニューヨーク港入り口のアンプローズ灯台船までと計測地点が定められます)1952年、アメリカは戦艦の機関を搭載した”ユナイテッド・ステーツ”で14年ぶりに記録を更新、ブルーリボンを獲得しますが1958年には航空機と船の旅客数が逆転、この激烈だったブルーリボン争奪戦に終止符が打たれました。ブルーリボンに関する書籍では"The Blue Riband of the Atlantic"(トム・ヒューズ、1973年、絶版)が良書として知られますが、本書はブルーリボンを獲得した客船を取り上げたもので図版や写真が多く、現在入手できる書籍としては読み易く最良の資料として広く知られる本です。(貴重な写真や絵が多く取りあげられていますが、文章も結構なボリュームです)写真家・著者・編者について
アーノルド・クルダスはハンブルグの造船所に18年間勤め、オルデンブルグ市の出版局チーフエディターとして働きました。その後、ブレーメンの港町、ブレマーハーフェンにあるドイツ海事博物館のライブラリーのダイレクターとして引退までの間勤務しました。造船所勤務時代から、一貫して海事研究に取り組み欧州はもとより世界的にも指折りの海事研究家として知られています。残念ながら多くは既に絶版となっていますが、特に客船の著書は多くその労作は40冊以上に上ります。客船の研究となると、その研究家の嗜好で地域や時代に研究の深度に偏りが出ますが、彼の著書を見る限り時代や地域を横断して偏りの無い深い研究心を持っていたことが伺われます。本 写真集の仕様・概要
書名 : Record Breakers of the North Atlantic Blue Riband Liners 1838-1952 レコード・ブレーカーズ・オブ・ザ・ノースアトランティック・ブルーリボンド・ライナーズ1838-1952体裁 : ハードカバー、159ページ、305mm X 250mm、英語
著者 : Arnold Kludas アーノルド・クルダス
出版 : Brassey's Inc. 2000年
ISBN : 1574883283
現地参考価格(本体表示価格) : $39.95(USA)

















