海 ポスター : 客船の復刻ポスター "French line"
ノルマンディーを描いた1938年のポール・コランによるフレンチラインの復刻ジクレープリントです。この作品はいわゆるオフセットの印刷ではなく、オリジナルポスターをデジタル技術で復刻したミュージアムクォリティーのプリントですポスターの解説
生涯1000枚以上のポスターをデザインしたPaul Colin=ポール・コランの代表作に数えられる作品です。このプリントは、いわゆる印刷とは違い、オリジナルのヴィンテージポスターをデータ化し、アートペーパーにインクジェットプリントしたもので、美術館によるオリジナル保存のための摸刻展示などにも利用される、デジタルジクレーという手法で製作されたものです。オリジナルは1937年、パリのImp. S. A. Courbet社で製作され、近年のオークションでは300ポンドから500ポンドの価格で取引されています。1920年代後半、欧州各国は巡航30ノット近い高速客船建造を競っていました。この速度であれば、4日で大西洋を横断し、2隻で東航、西航を週に一便運行できるからです。5万トン級の客船で、ドイツとイタリアはこの挑戦に失敗、1930年、わずか一ヶ月違いで、ドーバー海峡を挟みフランスとイギリスで8万トン級の客船が起工されました。後のノルマンディーとクィーンメリーです。世界恐慌の逆風の中、ノルマンディーはフランス政府の出資を受けたフレンチラインが国策会社になることと引き換えに完成しました。この船には、フランスの国家的情熱が注ぎ込まれ、速度、サービス、食事、そして最先端のアールデコ様式のインテリア、あらゆる面での最高峰を目指しました。1935年、期待に違わず、大西洋の初横断で速度計測地点と定められていた、ビショップロックからニューヨークのアンプローズ灯船間を29.64ノットで走破、イタリアのレックスからブルーリボン(大西洋横断の速度記録を塗り替えた客船の称号、ノルマンディの場合はニューヨークに青い30メートルのリポン=ペナント旗を掲げて入港する写真が残っています)を奪取しました。こうして「世界一の客船」の名を欲しいままにしたノルマンディ、翌1936年にはライバルのクィーンメリーが就航、ブルーリボンを奪取され、その後2度奪還、都合3度ブルーリボンライナーとなりますが、1939年、第二次世界大戦勃発でニューヨーク港88番桟橋から動くことが出来なくなります。1940年にはフランスがドイツと休戦協定、帰るべき祖国さえ失ったノルマンディは、1941年の日米開戦を受け適性資産としてアメリカに接収され、軍隊輸送のための改装工事中に失火、消火の放水によってあえなく転覆してしまいます。短い生涯の輝きがいかにまばゆかったかは、戦後、フランスがドコール大統領のフランス栄光政策のシンボルとしてノルマンディーを真似た”フランス”を建造したことでも窺うことができます。ノルマンディーはあらゆる面でフランスの文化の象徴とも言え、その絢爛豪華で洗練された船自体はもとより、ノルマンディーが描かれた広告ポスターもまた、当時のフランス文化の水準の高さを知らしめました。まさに戦前の名作ポスターが目白押し・・・カッサンドル、ヘルコマー、コラン・・・当代一流のポスターデザイナーがノルマンディーで腕を競いました。
フレーム入りポスターの仕様
作品名 :Franch Line フレンチライン作者名 :Paul Colin ポール・コラン
製作年 :1937
出版元 :Europian Imeges
印刷国 :U.S.A.
額縁・マット : 白パール 40mm、赤マット、前面1.5mm厚クリアーガラス
額縁サイズ : 570mm x 630mm
作品サイズ : 340mm x 550mm (マット抜きサイズ)
ポスターのフレーム(額縁)詳細
ポスターの作者について
Paul Colin=ポール・コランは1892年、フランス東部のナンシーに生まれました。1927年(一般的には1925年という説もありますが1927年が正しいと思います)、パリのシャゼリゼにあったミュージックホール”Revue Negres=レヴュ・ネグル”のポスターがデビュー作で、この作品で彼自身の恋人だった米国人黒人歌手ジョセフィン・ベイカーを描いたポスターは大変高い評価を受け、ポスター作家としてスターダムにのし上がりました。キリンの図柄が印象的なAfrique Occidentale Francaise=アフリカ西部のフランス人(1948)やLeroy(1938)、French Line(1937)が代表作です。1985年モナコで生涯を閉じるまで1000枚以上のポスター、100以上の舞台美術監督を務めました。初期は時代的な背景もあり、アールデコの作風ですが、戦後に至っては何者にも分類できない自由な作風を持ちました。私見になりますが、一連の作品を見ると後の巨匠サビニャックにも大きな影響を与えていると思えて仕方がありません。ポスター 詳細
※著作権保護のため透かしを入れていますが、実際のポスターには入っていません















