マリポサ級客船(戦前)のポストカード

“Matson Line S.S.Mariposa Class” ポストカード4種セット(送料無料)

マリポサ級客船(戦前)のポストカード

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400円 (税込)

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  • p2635b・・・エーワルト・メルボルン・ブリンドルによるマトソンラインのポスター。ブリンドルが東海岸に活動拠点を移す1930年代前半、恐らくマリポサとモントレーが就役した1932年から1933年頃に製作されたものと思われます。たった一枚のポスターですが、欧州(英国)向けに東回り航路に対抗する北米経由の豪州行きをアピールしていた事実は重要です。オリジナルはシルクスクリーン、現存数は極めて少ないようです。ブリンドルは、良く知られる船に翼が生えたマトソンラインの雑誌広告イラストも担当しました(Ewart Melbourne Brindle, 1904-1995)
  • p3018・・・エーワルト・メルボルン・ブリンドルによるマトソンラインのポスター。マリポサとモントレーが就役した1932年のものです。上記ポスター同様、マトソンラインが専らハワイへのリゾート航海の船会社であったことを覆すポスターです。マトソンラインのみならず、アメリカにとっても南太平洋と南太平洋経由オーストラリア航路の安定経営は国策上からも重要でした(Ewart Melbourne Brindle, 1904-1995)
  • p2633・・・1939年にマトソンラインのためにデザインした6種類のメニューカバーで有名なフランク・マッキントッシュによるポスター。マトソンラインは雑誌広告へは大変な努力を払いましたが、不思議なことにポスターは殆どといっていいほど製作することはありませんでした。1940年頃に製作されたこのフルサイズのポスターも、元の絵となったものは乗船客向けのパッセンジャーリストの表紙ではないかと考えられます(Frank Macintosh, 1901-1986)
  • p2634・・・上記同様。元となった絵は、1939年に製作されたブローシャーの中ページの絵ではないかと思われます

リゾート地としてのハワイの成功に大きな役割を果たしたのがマトソンラインでした。ハワイ最大の砂糖きびプランテーションのオーナーだったスプレッゲルス一族のもとにウィリアム・マトソンが高級船員として雇われ、1901年、海運部門を任されたマトソンは社名をマトソン・ナビゲーションに変更して蒸気船を購入、砂糖きび運搬はもとより、客船サービスが評判を呼ぶことになります。1927年、ワイキキに”ロイヤルハワイアン”を開業、同時に客船マロロを就航させました。ロイヤル・ハワイアンはマロロ乗船客のために建設されたホテルでした。西海岸の起点はサンフランシスコ、ベイブリッジのたもとの30番・32番埠頭はマロロのために延長されマトソンラインの専用埠頭になりました。リゾート地ハワイとオール一等700名のマロロは大成功、次なるマトソンラインの目標が南太平洋・オーストラリア航路の拡大でした。ハワイ線増強と南太平洋・オーストラリア線のために建造されたのが1932年に就役したマリポサとモントレーです。航路はサンフランシスコを出港してロサンゼルス、ホノルルに寄港後、パゴパゴ(米領サモア)、ニウアフォオウ島、スパ(フィジー)、オークランド(ニュージーランド)、シドニー、往復一カ月弱の航海で、マリポサとモントレーは毎月サンフランシスコを出港しました。翌1933年には、マリポサ三番船、ラーリン(3代目)が就役、マロロのセーリングパートナーの一方でオフシーズンには太平洋クルーズを実施1933年と1934年には日本にも寄港しました。マロロとマリポサ級マリポサ、モントレー、ラーリンは白い船体で大いなる人気を博し、北米大陸経由の豪州航路は、P&Oの独壇場であった英豪間航路に風穴を空ける勢いでしたが(暑い東回り航路は心地良いものではなく、貨物はともかく人間に関しては極東行きも米大陸経由が主要ルートになりつつありました。強力なエアコンを装備したマトソン客船は快適でした)、やがて第二次大戦、マトソン客船4隻はマッカーサー・エキスプレスと異名をとった戦時輸送船として活躍するものの、酷使がたたりマロロとマリポサは復帰できず、モントレーとラーリンが足の短いハワイ航路に就くものの航空機時代の到来で乗客は減少、1963年にラーリンが退役するとモントレーが伝統のラーリンの船名を継ぎ(四代目)、クルーズ兼用の単隻で運航されますが、1970年大阪万博を目玉にした極東クルーズで来日後売船、戦後就役のオーストラリア航路客船2隻も売却され、マトソンラインは客船事業から撤退しました。マトソンライン(マトソンナビゲーション)は、現在もホノルルに本社を置き太平洋線でコンテナ船十数隻を運航する船会社として存続しています


○ オーシャンノートオリジナルポストカードについて

当ポストカードは、ヴィンテージポスターの画像データをポストカード用にレイアウトした精密レプリカです。元となるヴィンテージポスターには破れや傷み、退色やヤケがあるものが多く、折れや破れなどの傷み部分は画像修正し、質感を損なわない程度に色相・彩度、明度等を調整し発表当時のポスターの再現につとめています。プリントはオンデマンドアートプリント、通常のデジタルプリントとは違って水ににじまず、実際のポストカードとしても使用できます。
通常の屋内環境で30年から40年以上は鑑賞に堪え得る保存が可能なので、資料収集向けにも適しています

○ ベースペーパーとプリント

紙:0.27mm厚、特注カットアート紙(参考:官製はがき t=0.22mm)
寸法:148mmx100mm(裏面に淡グレー色で“POSTCARD”表記、郵便番号枠無し。郵便ハガキとして使用できます)
印刷:オンデマンド、ピグメント(顔料)インク、屋内30年以上保存鑑賞可
ベースペーパーは官製インクジェットはがきより、やや白色度高めです

○ 商品のお届けとお支払いについて
  • ポストカードシリーズは、普通郵便もしくは日本郵便クリックポスト(原則ポストカードセットで複数ご注文)にて御宅郵便受け投函でのお届けとなります
  • 他の商品も合わせ、合計5000円未満のご購入では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済の3通り、ヤマト運輸代金引換はご利用できません。(システム上、ご購入画面に銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済しか表示されません)
  • 合計5000円以上のご注文では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済に加え、ヤマト運輸代金引換もご利用できます。324円の代引き手数料が代金に加算されますが、ヤマト運輸宅急便扱いとなります
  • 額装アート商品と併せてご購入の場合は、ヤマト運輸宅急便でのお届けとなります

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● マトソンライン・客船マリポサ級のポスター(戦前)、雑感

ハワイアンリゾートを成功させたことからも判る通り、マトソンラインは宣伝広報に長けていましたが、大変不思議なことに、その力点はアントン・ブルールやエドワード・スタイケンなど一流の写真家を使った雑誌広告に特化していました。フランク・マッキントッシュ、ユージン・サベージ、ルイ・マックロードを起用した船内のメニューカードは後になって高名になりますが、他の一流客船のように月単位で新しいデザインが試みられるようなことはなく、豪華なブローシャーも何点か製作されましたが決して手数は多くありません。今日マトソンラインに我々が抱く印象とは大きく異なり、当時、最も重要なメディアとして力が入れられたポスターは殆どといっていいほど製作されていません。推測になりますが、競合の激しい航路ではポスターのようなメディアが有用であり、競合が無く啓蒙的な段階が必要な場合には雑誌広告を有用と考えたのかもしれません。同時に、これも我々が単純に抱く印象とは違い、マトソンラインは冷静実直で堅実な経営が持ち味だったのではないかと思え、これは、いち早く航空機へ路線転換を試みたこと(これは米政府が船舶会社の航空機参入を禁じたため断念)、潔く客船から撤退しながらコンテナ船の船会社として立派に存続していることなどからも伺うことができます。残されたハワイアンな図柄から違った印象を持ちますが、地味で実直な好感を持てるマトソンラインです (T.O.)

● 太平洋航路客船(APL,CPL,MATSON)ポストカード INDEX

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マトソンライン・客船マリポサ級のポスター(戦後) ポストカード APL・客船プレジデント・フーバーのポスター ポストカード APL・客船プレジデント・ジャクソンのポスター ポストカード APL・客船プレジデント・ウィルソンのポスター ポストカード APL・客船プレジデント・クリーブランドのポスター ポストカード APL・客船レジデント・モンローのポスター ポストカード マトソンライン・客船マリポサ級のポスター(戦前) ポストカード カナディアンパシフィック・客船エンプレス・オブ・ジャパンのポスター ポストカード ダラーライン・535型客船のポスター ポストカード カナディアンパシフィック・エンプレス・オブ・ラシア級客船のポスター ポストカード

納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】

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