07/12 三野富士夫さんの写真展

先日、秋谷の寒川さんという方が見えた。あいにくお邪魔したことはないのだが、秋谷で雑貨屋さんを営んでおられるそうで、以前に、灯台の本をウェブからお買い上げになられ、横須賀なら当店を一度訪れたいものと思っておられたそうだ。お話をすれば、以前は僕の生まれ育った中野にお住まいで、お子さんたちは何と女房の小学校の後輩にあたる。僕はいつもの通り応対させていただいたつもりだったが、このところアクセスを調べると寒川さんのブログからの方が多いので、読ませていただくと、「普通は灯台に住みたいのだが・・・」と話をして相手にされないのにこの店主は違った・・・と。それはそうである。ナポレオンじゃあないが、僕の辞書に不可能は無いのである。時間的に直ぐに叶うか否かはともかく、1+1を3にすることはさすがに無理としても、(そうえいえば、以前清原選手を阪神に移籍してもらいたいあまり、吉田監督の台詞、阪神のユニホームの縦縞を横縞に変えてでも・・・なんて印象的な話を思い出した)あきらめない限り夢は叶う。灯台の暮らしというのは、昔は厳しいものがあったのだが、いずれにせよ灯台看守はそこに住んだのだから住めないはずは無いし、日本ではそこまでの状況にはないが、アメリカやカナダでは灯火の部分だけは沿岸警備隊の所有または管理で、建物自体は個人所有されたり、なかにはホテルやB&Bとして利用されているものも少なくないし、常時、いくつかの灯台は売りに出されていたりする。

さて、寒川さん、結局”The Little Red Lighthouse and The Great Grey Bridge”という絵本をお買い上げになられた。この絵本は1942年に初版が発行されて以来、一度も版が切れたことの無い名著で、日本では1980年代に神戸のBL出版が一度だけ翻訳書を出したものの一版で終わっている。内容は、マンハッタンに実在するジェフリーズフックという小さな赤い灯台ととその上にそびえる、ジョージワシントン橋の物語。ニューヨークが繁栄するまで主役だった赤い灯台が、橋の上の航空灯台ができると消灯されるのだが、その消灯のせいでハドソン川に海難事故が発生する。橋は灯台に話しかける「僕は空を照らしているだけ、君は川を照らさなきゃいけないよ」と。赤い灯台と橋は以来、それぞれの役目を一生懸命に果たしている・・・というものだ。短くあらすじを書けば素っ気無いが、これを初めて読んだ時は、涙が出そうになったもの。実話に基づく素晴らしいお話で、言いたいことは「どんな小さな存在にも、必ず必要欠くべからざる大きな役割がある」ということだ。僕にも二人の娘があるが、子供たちにはそうあってほしい、つまり不要なコンプレックスを持たず、自分を信じて生きて欲しいと願うばかりなので、その想いがだぶって感動したものと思っている。この本を説明するときにはSMAPの”世界でひとつだけの花”ですよ、と言っている。(最近は嵐の"Happiness"が同じテーマで良いと思っている。こいつをカラオクで攻略したいが、どうも最近の歌は歌詞の字数とリズムがタイトでついてゆけない。)ちなみに、この絵本、洋書に正規も並行もないのだが、とりあえず洋販や大手通販ではハードカバーは未輸入で、ハードカバー版を売っているのは当店、オーシャンノートだけではないかと思う。そのままでは面白くないので、僕の翻訳とちょっとしたおまけを付けているのだがウェブには出していない。参考の翻訳と解説を付けさせていただいているのだが、外国の著作物には翻訳権という著作隣接権があるので、本来印刷でテキストを入れ替えて出版するわけではないので問題はないはずだが、念のため実店舗のみの販売としている。これは隠れたヒット商品で、かれこれ2年間で30冊以上お買い上げいただいている。というわけで、お互いロマンチスト?寒川さんも何かを感じてくださったようで、この絵本をお買い上げいただきたのだが、この絵本を感じてくれた人のひとり、灯台写真家の三野さんからお知らせが届いた。

すでに始まっているようだが、7月4日から21日までの金、土、日、祝日、三浦は初声の三浦ビーチハウスのオープニングイベントとして写真展を開催されるとのこと。三浦ビーチハウスは、日本で船のアンティークコレクターでは5本の指に数えられる、銀座ネルソンズバーのオーナー、斉藤豊紀氏の隠れ家で、ここを拠点に新たな事業、啓蒙活動をされるといったことのようだ。斎藤さんは、オーシャンノートにもお見えになられて本年1月24日の店長日記にもその時のことは書いた。しかし・・・三野さん、斎藤さん、寒川さん・・・そして誰も皆、世界にひとつだけの花・・・である。(2008,7,12)

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