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海よ、僕らの使う文字では、お前の中に母がいる。そして母よ、フランス人の言葉ではあなたの中に海がある   -三好達治-
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横須賀学の会

ブログ 横須賀学の会

”地の人間”ではないとうことで、しばしばちょっとした疎外感を感じることがあるものだ。少なくとも横須賀に”同級生”といった類の友人が居ないことは商売上もハンディキャップがあるかもしれないと思わないでもない。それでも、生まれ育った東京中野は思いっきり下町気質で、お祭りの御神輿に呼ばれなかったり、聞けば鎌倉あたりでは二言目には「どこの人?」と尋ねられるそうだから、横須賀で最も古い商店街にも関わらず、上町銀座で新参者の僕が役員の末席を汚させていただいていることなど見る限り、なかなかリベラルな土地柄なのだと感心する。いずれにせよ足掛け3年目になると、それはそれで少しずつ人のつながりも出来てくるものだ。Sさんは、昨年リタイアされるまで横浜港でタグボートに乗っておられた生粋の海の男だが、昨年以来、販売している僕が心配するほど何枚もの船の額装アートポスターを買っていただいている。こういったお客様がいらっしゃると大変な励みになるもので、Sさんを「アッ」と言わせる商品を見つけようとよりマニアックな世界に入り込んでいったりするものだ。そのSさんが参加されている”横須賀学の会”の代表、大橋祥宏さんがSさんと一緒にお越しになった。

”横須賀学の会”は当店も度々掲載してもらっているタウンニュースの記事が丁度良い紹介をしている。記事中に無いいきさつは・・・高度経済成長を支えた世代が、現在リタイアを迎えている。元々は県立横須賀高校、略して横高のOB数人が「俺達を育ててくれた横須賀に恩返ししよう」という趣旨で、これからの世代の人たちに向けて横須賀の様々なテーマを研究し伝承しようといことだったそうだ。横高OBでなきゃいけないということはなく、様々なキャリアをお持ちの方々が参加なさっているが、約束事は、宗教と政治は持ち込まないことだそうである。この数年は、メンバーの経験を持ち寄ると、横須賀の土地柄だろうか、船に関係するものが多かったことから、”観音崎を行き交う船”を研究テーマに取り上げており、その成果が昨年”観音崎船舶の観察ノート - ふね・フネ・船の力”として出版された。

大橋さんという方は、とにかく行動力抜群のお方で、出版するにあたって早速に日本財団の助成を得て、メンバーの懐も傷むことなく発行に漕ぎ着けておられる。初版は1000部。正式には昨年11月の発行だったのだが年内には底をついてしまった。かまくら春秋社とのお付き合いで、自費出版の実情を聞くこともあるが、簡単に1000部といっても、そうそうすぐに掃けてしまうものではない。むしろ驚くべきことだ。というわけで、急遽第2版の発行に至った。今度は、日本財団の助成は得られないので、大橋さんの持ち前の行動力で京浜急行をスポンサーに立てての増刷である。大橋さんは既に当店でお買い物もされたことがおありだったそうで(僕はお客商売やっている割に、営業マン時代から人の名前を顔を覚えるのが苦手で、パーティなどで、やぁこの間はどうも・・・なんて言われても、調子よく合わせるものの誰だか全然分かっていないこともしばしばだった。大橋さんのことも失礼ながら覚えておらなんだ)、厳密には初対面ではないのだが、親しくいろいろなお話をお聞かせいただいた。

というわけで、ありがたくも海と船の専門店たるオーシャンノートにも販売所の白羽の矢を立てて下さり、”観音崎船舶の観察ノート - ふね・フネ・船の力”を販売させていただくことになった。内容は船と観音崎周辺の航路、東京湾などの雑学コラム集といったもので、長い読み者とは趣を異とするもので、第2版は税込み693円である。大橋さんは出版界に身を置かれていたので、その方面のルールには厳しく、再販価格維持制度にのっとり693円のワンプライス、現状ではややこしい問題を避けるため店頭販売のみとした。ただし、個別に送料実費の販売は可能なので、入手ご希望の方はメールか電話を下されば、本の内容も含め、相談させていただくことは可能である。横須賀学の会の現在の研究テーマは在日米海軍第四代司令官、デッカー大佐の著作の翻訳だそうだ。ローカルな話題で恐縮だが、当店近くの横須賀中央公園に胸像があるので思い当たる方も多いはず、横須賀のみならず戦後日本の復興に大きな役割を果たしたのがデッカー大佐である。(何でも当時の横須賀市民からデッカー大佐を市長にしようという声が上がったほどだそうだ)遠からず、その研究成果も上梓に結びつくものと伺っている。(2008,8,25)

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