11/13 QE2・・・いよいよ

いよいよ、クイーンエリザベス2が最後の航海へ出港した。昨年6月の店長日記にも書いたが、初めての日本寄港の時にえらい人混みの大桟橋で見た彼女を忘れられない。これは、あくまで個人的な好みなので断定的に美しいと言うのも憚られるが、基本的なデザインは1935年のフレンチライン・ノルマンディーが原点になっているそうだ。例えば30ノットといえば時速で55kmちょっとだから、まさか空力ともならないだろうが、不思議なもので速く見える船はやっぱり速くて美しい・・・となると、結局、僕にとっては速さというのが好みの重要な要素になっていると自分でも思うのだが、あまりその速さが取り沙汰されることもないQE2は、初来日以来、やたら豪華客船という冠詞ばかりが目に付くものの、史上10本の指に入る高速客船なのである。

古い話になるが、5万トン超、巡航28ノットを越える客船をスーパーライナーと呼ぶ。巡航28ノットを越えると、一週間で大西洋横断、その航海は約4日半、港での補給や乗員交代を含めて2隻でウィークリー運行ができるのだが、これを採算性で考えると5万トンを越えるということになる。列記すれば、ブレーメン、オイローパ、レックス、ノルマンディ、クイーンメリー、クイーンエリベス、ユナイテッドステーツ、フランス、クイーンエリザベス2、この9隻が史上、スーパーライナーと呼べる船だ。スピードに関して言えば、軍艦のエンジンを積んで35ノットで大西洋を渡ってしまったユナイテッドステーツは別格として、トップスピードでは35.21ノットのフランス、そしてQE2はエンジン換装後の試験運転で34ノットを誇った。大西洋横断記録こそ28.5ノット(1969年の記録)ほどのQE2だが・・・その気になれば巡航30ノットを越えることもできそうな史上3指に入る高速船なのである。

船内は古き良き定期船の伝統に則り等級があって、食事場所なども違う。今や、その伝統を残すのは、QE2からフラッグシップの座を引き継いだQM2(クイーンメリー2)のみになった。史上最速の客船ユナイテッドステーツがヴァージニアの埠頭に繋がれたまま荒れるに任せ保存運動も進展を見せない中、40年という船齢を全うしたともいえる生涯を終え、引き続きドバイで海上ホテルとして生き残るQE2は、たった一隻でオーシャンライナーの伝統を担った生き証人たる人類の重要な文化財である。ガソリンが上がったり下がったりが身にしみるのみで、直接縁のない産油国だが、いつかドバイを訪れて泊まってみたいものだ。(2008,11,13)

Ocean-Note, Queen Elizabeth 2, J. Olsen 1983

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