09/16 アテンションプリーズ BOAC CUNARD

海ではなく空の話になるが・・・ニュースは日本航空がアメリカのデルタ航空かアメリカン航空に出資されることになりそうだと伝えている。日本の航空法で外資の出資は1/3以下となっているそうなので身売りする事とはならないようだが、世界第3位の売上高(ちなみに航空会社のランキングは輸送キロの単位で決まるので、それだと15位、3位は売上高である)を誇る日本のフラッグキャリアが外資の出資を扇ぐというのは気分的に寂しい。おとといお客様の齋藤さんとも話したが、何でANAと一緒になれないんだろうと不思議である。尤も、その理由も分かっていて、競合分野が多く複雑な労働組合を持つJALとはメリットを見出せないのだろうと落ち着いた。イタリア国営だったアリタリアもエールフランス・KLM連合に買収されたし、そもそもかつて国営だったエールフランス、国営色の強かったKLM両社が経営統合したのだから、フラッグキャリアなどという一種古風な考えも経済競争の中では成り立たないのかもしれない。パンナムが破産したというのもあったことだし・・・

しかし、JALといえば、あの懐かしき憧れの鶴丸マークが忘れられず・・・今朝の通勤途上でふと口ずさんでいたのがアテンションプリーズ!(Youtube 削除につき動画不掲載)1970年のテレビドラマというから、もう少し後で見たものかと思ったら、僕は小学校2年である。当時、飛行機に乗ったことも無い割りに(ちなみに新幹線は大阪万博をみるために、この1970年、初めて乗った)、羽田で飛行機を見るのは大好きで、展望デッキにあったレストランで機内食を食べるもの楽しみだった。美味しかった記憶はないけれど・・・

Aero Classics 1/400 VC-10 BOAC CUNARD:店長日記の写真:ポスター販売・Ocean-Note

さて、そんなんで、フラッグキャリアが生き残りを賭けたお話の遺産がここにもある。これは、当店自慢のコレクション?のひとつ、Aero Classicsの1/400ダイキャスト模型、ビッカーズ・スーパー・VC-10、BOAC CUNARDである。528個限定の478番のものとなる。船に加えて飛行機までやったら、とても追いつかないし、それこそ商売か趣味かわからなくなるので、そこに足を踏み入れないようにしているが(同様の理由で、ゴルフとカメラもやらない。道具から入るタイプの僕は、恐ろしいほど”集めて”しまうことが分かりきっているからだ)、たまたま60年代の客船ヴィンテージ広告を探していて見つけたものだ。この飛行機がきっかけで調べてみると1962年から1966年まで、BOACとCUNARDが事業統合をしていたらしき事実を突き止めた。(英文ではオペレーションと強調されているので資本統合した様子はないようだ)1958年に、大西洋横断における航空機と客船の旅客数が逆転、国の誇りとしてキュナードを潰したくない英国政府が動いて、簡単に言えば旅客機のサービスにキュナード流の最上のサービスを導入しBOACを一頭地抜けたものとし、大西洋横断の料金を飛行機と客船で統一し、片道は飛行機、片道は客船という旅の提案をするという主旨だったようだ。つまり、この時点で移動目的の大西洋横断の旅客が100%航空機に乗ってしまうとは考えられず、客船の市場は残ると考えたわけであり、フラッグキャリア(この時代はまだ客船運航会社ということである)たるキュナードを生き残らせようとした意図があったのだ。しかし、残念ながらそうはならず、船の時代は完全に終わって、クルーズ目的でしか人は船に乗らなくなるのである。大勢の見えた1960年代後半にはBOAC CUNARDのオペレーションは解消される。(日本で言えば、日本航空・日本郵船ってなもんであろう)それでも、キュナードは存続したわけだから会社の勘定がどうなっているかは知らないが大したものである。特にオイルショック以降は客船の運航は完全に赤字のはずだったのだ。ご存知の通り、かつてのフラッグキャリア、今はアメリカ資本の軍門に下っているが、それでもキュナードはキュナード、この春にクイーンメリー2を見たらそれは立派に伝統を背負った船の歴史は終わっちゃあいないと思ったものである。

先般、偶然にも、かつてBOACの日本支社に勤務された経験がおありだというお客様が見えて、このBOAC CUNARDの飛行機を見て感心されていた。まさに時代に埋もれたお話で、この顛末を知る人は少ないようだ。しかし、こうしてフラッグキャリアを国で維持しなくても良くなった・・・と考えれば、世界は平和になってきているということだろう。そうフラッグキャリアの使命は有事の際は・・・という訳だからだ ・・・いよいよ近年になると木村拓哉さんのGood Luckなんかじゃあその舞台をANAに奪われてフラッグキャリアのすっかり形無しだったようだが・・・まあ、ドラマでどっちが採用されるか・・・なんて・・・やっぱり平和なのである。(2009,9,16)

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