04/04 タカラガイのゴマちゃん

タカラガイのゴマちゃん:店長日記の写真:ポスター販売・Ocean-Note

「ビーチコーマーです」なんて名乗るほど学究的に取り組んでいるものでもないが、海に行っていろんなものを拾うのは先般も書いたとおり大好きだ。定休日の水曜の夕食は僕が作るが、その後はナニコレ珍百景なるテレビを見るのが習慣になった。その中で毎週ではないものの俳優の岡本信人さんが出てきて野草のテンプラを作るのだが、キメのセリフは「皆さん、どんなに美味しそうな野草でも、知らない野草は決して口にしないでください」である。およそ、味や食感はともかく、食えない海藻は無いと思うが、先般ビーチグラス採集に行ったとき(そういえば一年振りに赤いビーチグラスをゲットした)、季節柄ついついビーチグラスそっちのけでワカメに手が出てしまったのだが、この行く手をさえぎるのが砂まみれになった細い海藻。ヒジキの細丸の葉を開かせたようなもので、こいつに絡まったワカメを外そうとすると細かくまぶされた砂が手指にえらく痛い。まるで50番くらいのサンドペーパーでこすられているようだ。邪魔な海藻と思っているとそれを集めているご婦人がいる。聞けば”アカモク”という海藻でサッと茹でて細かく叩いて食えるのだという。食えない海藻はないとは思っていても、ナニコレの岡本さんの教え通り、腹が痛くなっても困るから知らないものには手が出ない。しかし、食えると聞けばやってみるしかない、早速女房が言われたとおおりに料理すると中々の美味だ。味はメカブと良く似ている。少しだけ苦みがあるだろうか・・・調べると、日本海側では一般的な食材だそうだ。”アカモク”でググってみればいくらでも出てくるのでどうぞ試してほしい。

それは朝から葉山をブラブラした日のある晩、家に帰るとキーボードの前にタカラガイが置いてある。よーく見ると、目が2つ鉛筆で書いてある。思わず微笑みがこぼれる。タカラガイは冬の相模湾で良く打ちあがる。黒潮の影響で相模湾まで流れるのだが死滅回遊魚(ルアーやってる人ならメッキがそうだし、伊豆や房総半島で見られるチョウチョウウオは死滅回遊魚だ)と同じで、南の海から流されて来たものの冬の寒さで死んでしまうものが多いのだ。これが打ちあがるわけだが、その日の葉山は見たことないくらいタカラガイが沢山あがっていた。次女は黙ってコツコツ拾っていたようで、家でこれを洗って乾かすと、やおら鉛筆を持って目玉を書きいれたのだという。これは・・・カワイイ!次女の作ったものをそのまま店に置くのは悪かったので、後日僕もタカラガイを拾って(やはり打ちあがる日は大量にあがるもので、件の葉山以降大量に見つけられる日はまだない)、「センセイ宜しくおねがいします」ってなもんで、次女にお願いして鉛筆で目を入れてもらう。不思議なもので、次女が書きいれた位置が良いのであって、真似をしてみても全然可愛くならないのである。で、その鉛筆書きの目玉をマジックで上書きするというわけだ。

すごく小さくて目立たないのだが、店先でヒソヒソ、キャーキャーいっている声が聞こえる。ただ飾るのも何なので、タダみたいな値段だけは付けてはいるが売る気はそもそもない。皆、自分で海に行って拾ってくれば良いのだ。いわば次女の作品展だし(苦笑)、アイデアの提供だ。そういえば、ビーチグラス、これも以前に東京じゃあ天然モノ(笑)1キロで2000円だとか聞いたので、ワインの空きビンに入れて一応値段を付けているが、なんだかんだとからむお客様もいて、そんな時は丁寧に言葉を返す。「別に買うもんじゃないですよ。どうぞご自分で拾ってください」・・・やってみれば良いのである。ただし・・・ワインの空きビンに入るビーチグラスは小さくなきゃいけないから拾うのは大変だ。やってみれば良いのである・・・750ccの瓶をビーチグラスを満たそうとすれば、2時間や3時間では足りない。腰が立たなくなるまでやってみれば良いのだ(笑)  (2010,4,4)

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