05/17 ニュージーランドのワカメ

今年は・・・それこそ気にかける間もなくアメリカスカップが終わってしまった。第33回のカップレースだったのだが事情は複雑で、2007年の32回のレース後、防衛側のスイス・アリンギに対して裁判でアメリカのBMWオラクルが挑戦チームに決定して、その上、どういう事情からかACクラスのヨットではなくマルチハルでの戦いという異例な経緯をたどって、1995年にカップを失って以来15年ぶりにアメリカがカップを奪還した。勝敗は2-0で、どういうわけやら3回戦勝負になっている。すでに次回、第34回のアメリカスカップ実行委員会はホームページも公開していて、またまた経緯がわからないが、すでにイタリアのチームに挑戦艇が決定している模様だ。裁判で!挑戦艇が決まって双方ルールに合意が出来ず、カタマラン艇(双胴艇)とトリマラン(三胴艇)の戦いなんて・・・悪夢の88年、90フィート大型艇とカタマラン艇のカップ史上の汚点とされるカップレースの再現だ。残念なことで、スポーツたるもの”節度”をもってルールを守りたいものだ。

かつて自動車のF1でもターボエンジン全盛の時代があった。それ以前は、3L自然吸気エンジンで戦っていたが、1.5Lならば過給機も使用可とのルールだったそうで、この過給機はスーパーチャージャーを想定しており厳密にはターボは禁止だったらしい。ルノーが1.5Lターボを持ち込んで、最初は誰も勝てるわけがないとタカをくくってターボを黙認してしまった。後はご存知の通り、ついには1500馬力のモンスターマシンが登場することになるわけだ。このあたりも”節度”の問題だったろうし、巷間話題になった水泳の水着も”節度”の問題だろうと思う。選手にしてみりゃ、「水着が泳いでいる訳じゃない」と言いたくもなるだろう。

どうか、アメリカスカップも誰もが納得する着地点を見出してもらいたいものだ。政治ショーをやっているわけではないのだから。先日、喫茶店ニューセントルイスの元オーナーであったAさんに映画WINDの米国盤をお貸ししたら、「すっごくヨカッタぁ」と御礼に見えた。(ちなみにお馴染みのeinenさんもWINDにはまって、ローカルなWINDブームなのである)Aさんは元ヨットオーナでいらしたのだが、当時のAさんのヨットのクルーの一人が92年のニッポンチャレンジのクルーに採用されたという話はAさんの娘さんである長女の幼稚園の同窓のお母さんからお聞きしていたが、92年のニッポンチャレンジのビデオの話をしたら、「あのビデオの最後で南波さんとやりあってるアイツがウチにいたんだよ」とおっしゃる。Aさん、このクルーを通じ92年のカップレーサーのセールの切れ端もお持ちらしいが・・・一言「やっぱ、WINDじゃないけど12メータークラスの頃が面白かったね」   F1にせよアメリカスカップにせよ、普段、普通の人間が使える道具からあまりにかけ離れ過ぎた”マシン”をヨシとすればそのゲームは廃れてしまうということを心得るべきだ。僕はゴルフもサッカーもやらないけれど、このあたりの不変の人気は幾らも違わない道具でやってるところにあるように思う。

(追記:元々、アメリカスカップはヨットクラブ間の私的な親善レースだ。1851年に英国のワイト島一周レースにただ一艇で参加したスクーナー・アメリカ号が優勝、これを称えたヴィクトリア女王から贈られた銀の水差しをアメリカ号のオーナー達が、ニューヨークヨットクラブに寄贈したことが事の発端だ。この寄贈にあたり贈与証書が作成された。乱暴にまとめれば、いかなる挑戦も受けなけりゃならないことと、双方の合意で使用艇と開催日時、場所、ルールを決めるという内容だ。10数年後、英国がフッとあの持ち去られたカップを思い出して挑戦しなければアメリカスカップというスポーツトロフィー試合は無くて、水差しはニョーヨークヨットクラブにひっそりと飾ったままだったかもしれない。このクラブ間の私的な親善レースというところが厄介で、そこが優先されるが故に組織の権限の方が下位にあるので、贈与証書の管轄裁判所であるニューヨークの裁判所で訴訟沙汰になる。いまだにカップに所有権はなくて贈与証書があるのみ、誰もイニシアチヴを持てないのだろう。大金持ちのタニマチの懐の力で優雅にやっていたレースだ、アメリカスカップで一儲けしようなどと誰も考えなけりゃいいのだが・・・逆に、一気にプロ化して、きちんとした大会にする一法もあろう。どちらにせよ、贈与証書を前に挑戦者とりえない僕ごときはおろか当事者同士以外の者がとやかく意見する筋合いも無いわけで、本来は大衆の支持などとは無縁のところにある・・・ものではあるのかもしれない。しかし、どうにも表現できない魔力というか魅力があの”カップ”にあるのは事実で、どうか、中興の祖たる人が現れて強いリーダシップを発揮して正常化するのを願うのみだ)

てなことでアメリカスカップの調べごとをしていたら、何故かニュージンランドにある2007年の第32回アメリカスカップ実行委員会(防衛チームはスイス・アリンギなのに委員会はニュージーランドにある、不思議だ)で、まだプローモション用DVDを買えるようだったので購入した。ちなみに、トップページからたどると買えないし、どうした訳かあの手この手でそのページにたどり着くことができて、しかしながらそのページが動いているのかどうかも心もとなく、おまけに決済エラー・・・メールで問い合わせても返信なし。こりゃ、もう売ってないのだと諦めていたら、ニュージーランドから郵便でDVDが届いた。以前にやっぱりニュージーランドはオークランドの海事専門の書店から絶版のアメリカスカップの写真集を買ったことがあり、これでニュージーランドからの買い物は二度目だが、僕はニュージーランドはおろか南半球には行ったことがない。せいぜいオーストラリアのオージビーフに馴染みがある程度だが、今朝NHKを見ていたらニュージランドで日本のワカメが大問題になってるというニュース。

一家揃ってワカメにはお世話になりっぱなしだから、子供達も一緒になってテレビにくぎ付けである。ワカメというのは日本、韓国、中国の沿岸の特産だそうで、元々これ以外の地域には生息していないのだそうだ。で、これがニュージランドでエラく繁殖してサーモンやムール貝の養殖に打撃を与えているのだそうだ。何と、世界の侵略的外来種にも指定されているのだ。ニュージーランドだけでなく海水の比較的冷たい地域、北米や欧州でも問題だそうだ。先般ワカメを拾っていたら、アメリカ人の一団とすれ違って「Oh Seaweeds!]なんて言って笑うので知ってるんだなあ・・・なんて勝手に思ったものの、食用にするのは北東アジアだけで、外国では害草でしかないそうだ。

この原因は、船のバラスト水(積み荷をおろした船が喫水を保つためにタンクに入れる海水)だそうで、ロンドンの国際海事機構によってバラスト水の浄化を義務づける条約が発効 される見通しだそうだ。(30ケ国が批准して、その批准した国の船籍の船の総トン数が全量の35%を超えると、その一年後に条約が発効するとのこと)どちらが良いとか悪いとかは別にして、確かに東京湾でも日本原産の貽貝に混じって南半球のパーナ貝(ムール貝の一種)が見られる。ニュージランドのワカメはDNA鑑定によれば日本からのものだそうで、こんなところにも地球規模で見れば問題が山積しているのだと気づかされた。しかし、以前日記に書いたが、マガキやシカメガキはそれぞれフランスのサンマロ湾、カナダの西海岸に人為的に移植されて大いに繁殖しても侵略的外来種になりもしない。ワカメ・・・健康には宜しいのだから皆ワカメを食えば良いのに・・・と単純なお話にもならんか・・・(2010,5,17)

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