06/09 伊良湖ガーデンホテル書籍室 潮騒

ネット販売に対する賛否や好き嫌いはともかく、良い意味でいろいろな人との縁やきっかけが出来る。このところ遠方からのお客様が見えるので面食らうこともしばしば。店は無限に広いわけではないので、販売している600点近いポスターを飾れるはずもなく、ほとんどは一旦写真を撮った後にポスターとマット、額縁は別々に保管している。「あの、ネットで見た×××××××のポスター・・・」といきなり言われて、内心あわてつつ?(整理整頓は心がけていても、瞬間的にはどこだっけ?となる)その場でポスターを額装させていただく。そんな遠方のお客様でも極めつけは神戸から見えた中村新さんである。

電話が鳴った。「神戸のキッチンエヌの中村と申します・・・」お話を伺えば、名鉄の伊良湖ガーデンホテル、リニューアルのプロデュースをされていて、ロビーの一角にライブラリーを設置して海の本を並べることにしているとのこと。探すことは探せても中身の確認ができない、品揃えはいろいろ見た中で日本で一番と判断したので「今日の夕方伺いたい」とおっしゃる。「神戸からですか?」と思わず訊いてしまった。中村さんはその筋では有名な方で、辻調のご出身で、あの料理天国にも出演されたそうだ。辻調退職後はフレンチレストランの料理長を歴任し、今は料理プロデューサーとして名古屋や静岡などにある駅麺通りの企画や繁盛店の仕掛け人として名を馳せておられる。

ポスター販売なのに海の写真集・・・に違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれない。これは僕の思い入れである。たまたま辻調がらみだが、辻静雄さんのことを書いた海老沢泰久さんの”美味礼賛”(文芸春秋刊)という本がある。どこまでがフィクションかは調べるつもりも無いが、ここに描かれた辻静雄像は僕の生き方に多少なりとも影響を及ぼしている。とにかく、ひとつのことを突き詰めて極めることがどういうことなのか?それがたまたまここではフランス料理なのだが、ストレートに著されている。人類の文化遺産で重要なもののひとつは、まぎれもなく本である。辻静雄さんのフランス料理の料理書のコレクションは世界有数だったと聞く。福岡におられる永井敬二さんは世界で二番の椅子のコレクター(一番はスイス、ヴィトラ社会長のフェルバムさんだ)といわれるが、実はご自宅に伺うと、椅子もともかく壁一面の書籍やカタログのコレクション、これがすごいのだ。ミサワホームのバウハウスコレクションだって、バウハウスの作品ももとより、その資料や書籍は凄い・・・・そう、僕の夢は壁一面を本で埋め尽くすことだ。その思いが嵩じて海の写真集を置いている。正直なところ本は儲からない!そもそも、販売している本を選ぶのに、その倍くらいの本は買ってみてダメ出ししている。

中村新さんが料理の勉強をしている頃に、様々な料理書を購入されたであろうことは想像に難くない。だから、洋書の見方を心得ておられた。店のコレクション?の中でも良いものを的確に選ばれる。ただ、一朝一夕に集められないことも良くご存知で、(洋書は再版が少ない)何年もかかかって集める必要があることも申し上げた。とりあえず、ホテルのライブラリーのベースとして20冊近くを購入して下さった。聞けばこのライブラリーは6月27日にオープンだそうだ。ホテルのお客様が楽しんでいただけたら幸いである。(2007,6,9)

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