01/13 ホルムズ海峡

ホルムズ海峡・浦賀水道:店長日記の写真:ポスター販売・Ocean-Note

毎日毎日大きな船が沖を行くのを見ていながら、これが自分の生活と直結していることに連想が追いつかない。しかしながら、ひとたびきな臭いニュースが飛び込んで来ると「ああ、この船がなければ日本はとたんに往生するんだなあ」と改めて気づかされる。

核開発を止めようとしないイランへの制裁として、昨年からイランが輸出する原油代金の決済ルートとなるイラン中央銀行との取引を制限する措置を米国がとっている。米国内で活動できないと銀行は成り立たないので、各国は実質的にイランからの原油輸入ができなくなる。(日本は輸入削減を策定中、中国の同調は不明) これに対して、イランはホルムズ海峡の封鎖をちらつかせている。サウジアラビアとクェートの原油=世界の原油の3割はホルムズ海峡を通ってくるわけで、もしイランが海峡封鎖という暴挙に出ればただでは済まない。

で、思い出したのが本宮ひろしさんの漫画”男一匹ガキ大将”である。何でも本宮さんの考えでは、本当は主人公の戸川万吉が富士山麓で天下分け目の決戦で堀田(だったかな?)に槍で刺されて完結だったらしい。ところが、連載元の少年ジャンプは完結を認めてくれず(笑)、仕方なく日本一のガキ大将に・・・で終わりと思ったら、それでも連載終了させてもらえず描き続けたのだとか。

その無理やり続けた後半にいくつかのエピソードがあるけれど、当時子供の僕にはピンと来なかったのがペルシャ湾のエピソードだった。師でもありライバルでもあった水戸のおばばの遺志で水戸屋商事を継いだ万吉。この水戸屋の乗っ取りを狙ったのがアメリカのコックフェラー(笑)・・・

ある日、ペルシャ湾から原油を運ぶタンカーが攻撃され日本は原油不足でパニックに・・・コックフェラーは日本政府へ原油の供給を申し出る。条件は水戸屋商事をコックフェラーに寄こせというものだった。万吉は二面作戦に出る。まず日本政府と敵対することになりながらも水戸屋商事を守るためにコックフェラー原油船団を入れないように船団を組み東京湾を封鎖。そして、ペルシャ湾には日本の原油タンカーを守るための護衛船団を送る。ペルシャ湾=ホルムズ海峡では攻撃を受け次々と子分が死んでしまう中、援護で何と旅客機を使って相手側を爆撃・・・その相手が実はコックフェラーだと判り事態は解決! というお話だ。

連載当時は当時としても、まさにホルムズ海峡が封鎖されたらと思うと、本宮さんの漫画もあながち荒唐無稽と笑ってはいられない。現に、昨年の銀行制裁が決まった時もガソリンは値上がりして震災の時とは比べようもないけれど10台待ち位の行列になった。

この一週間ばかり日本郵船のことをお勉強している。大西洋航路にばかり目が行って、足元の日本の船には疎かったのだが、戦前の先人達が東洋の片隅の小さな新興国をどうやって列強と競えるものにしたのか・・・結局、先鋭的な部分で競り合ったとしても、それは奇しくも一時的に版図を拡大して補給が追いつかなかったのと同じで、立派な軍艦を持っていても内地じゃ竹ヤリ・・・そういうシニカルな見方もできるけれど、今も昔も先人たちがそのために頑張ったのと同じように船がこの国を支えていることに変わりはない。どうかこのホルムズ海峡の件が紛争にならないことを祈るばかりである (2012,1,13)

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