09/09 東京湾のロブスター

ロブスター・日本郵船龍田丸:店長日記の写真:ポスター販売・Ocean-Note

以下引用 

高級食材の「オマールエビ」や「アメリカンロブスター」として知られる外来種のアメリカウミザリガニが東京湾で発見された。日本近海では生息しておらず、東京湾で公式に確認されたのは初めて。捕獲されたアメリカウミザリガニは体長約30センチ、体重1.2キロ。7月15日に横浜市の八景島沖約8キロメートル、水深50メートルの海底で、横浜市漁業協同組合柴支所(金沢区)が底引き網をしている最中に見つかった。県水産技術センターに持ち込まれ、横須賀市の自然博物館に標本として寄贈された。同センターによると、アメリカウミザリガニは北米やカナダの太平洋岸に生息しており、飼育用か食材用などで輸入された個体が東京湾に放されたと見られる。同センターの職員は「自然繁殖しているとは考えにくいが、生態系が崩れる可能性もある」と話している。

朝日新聞9月9日

というわけで、今朝早速、横須賀市人文博物館に立ち寄る。学芸員の方が応対して下さったが「展示予定はありません」とのこと。「人為的に放された可能性が高く、生態系への悪影響が考えられます。新聞やテレビに出て、却って面白がって放す人がいないものか心配なので、騒がずにそっとしておいてほしい」と困惑気味だった。

僕は海老、カニ、焼き肉(牛肉全般、ついでに言えばトロだの中トロなど)に全く興味がない人なのだが、ロブスターは大好きだ。といっても、見境なくロブスターを食いたいわけではなく、この世のものとは思えない美味しいロブスターをプリンスエドワード島の Fisherman's Wharf Lobster Suppersで食べたいだけだ。PEIに滞在した十数年前、余りに美味しくて一週間に三度も食べに行ってしまったくらい美味しい。ここのはスチームドロブスターで、大きな蒸し窯で蒸したやつに澄ましバターをかけていただく。ただし、今は僕が行った時より幾らか値段は高くなってるようだ。1ポンドの奴を食べたら大抵は大満足のはずだ。場所は赤毛のアンのグリーンゲイブルスから車で東に20分くらいの漁港、ノースラスティコ。写真はその時のもの、PEI西部のティグニッシュの港でロブスターの水揚げ(左)、ロブスターを食す(中)、PEI東端のポイントプリム灯台の下の海岸でロブターの幼生を見つけて観察の図(右)

ロブスターつながりでひとつ。ホテルオークラ神戸のレストランカメリアで日本郵船・龍田丸の復刻メニューを一日十食限定で供しているそうだ。このメニュにロブスターカレーというのが入っている。良く知られているのは郵船のドライカリーだが、史料をひっくりかえすと欧州航路のメニューには確かにドライドアンドロブスターカレーというのが見受けられる。この頃の郵船のメニューの一例では煮込みやグリルのメインプレートのサイドディッシュ的な形で小さめのカレーが供されることがあったようだ。

龍田丸は日本郵船が1930年の船腹更新で一気に建造した8隻の貨客船・・・欧州航路に照国丸・靖国丸、シアトル航路に氷川丸・日枝丸・平安丸、桑港航路に浅間丸・龍田丸・秩父丸・・・のうちのサンフランシスコ航路に配船された客船で、太平洋の女王と謳われた浅間丸と同型姉妹船だった。定航客船としての最後の航海はいわくつきの米国陽動作戦航海で真珠湾攻撃のカモフラージュだった。すなわち、米国引き揚げの外国人で満船ながら最初から開戦と同時にギリギリのところで反転して横浜に引き返す予定だったという。

昨夜は吉田茂のドラマを見たばかり、近年領土境界で隣国三国ともうまくないようだし吉田のような気迫の外交を見直すこと多々あるが、難しい外交交渉やら戦争、国境もロブスターには関係ないことだ。どうやって来たかはともかく、はるか大西洋からえっちらおっちら海底を歩いてやってきたかもしれない・・・なんて考えれば思わず噴き出す。それが自然の摂理であれば、東京湾がロブスター天国になるのも・・・悪くない。美味しいからなあ (2012,9,9)

後日付記 ロブスターのことは、勿論、大西洋を行き来するバラスト水に幼生が入っていて東京湾で繁殖した可能性だってある。今や東京湾のムラサキ貝は北米産のムール貝が殆どになっている。また、4年前に日本郵船の船と牡蠣のお話を書いた。

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