01/10 新電子立国

新電子立国:店長日記の写真:ポスター販売・Ocean-Note

まだ、ビデオ鑑賞は続いている。”電子立国・日本の自叙伝”(NHKスペシャル1991年)を見て今更ながら感動したが、そうなれば当然”新電子立国”(同1995-1996年)の方もを見ずにはおれない。題名を踏襲したので旧編・続編なのかと思えば余り関連性はなく、電子立国の方が壮大なるモノづくり物語であるのに対して、新電子立国の方はどちらかと言えば散漫で、8話にも及ぶ大作ながら芯のあるテーマが感じられない週刊誌みたいな物語である。

話はそれるが、先日ニュースで経済三団体合同新年パーティーで出席者に今年のキーワードを書いてもらい放映したものを見た。相変わらず”改革”だとか”革新”みたいな主旨ばかりが並ぶ中、僕が感心したのはトヨタ自動車の豊田章男社長が書かれた”原点”であった。電子立国・日本の自叙伝を見て感じたのがこれで・・・日本という国・民族が敗戦から立ち上がり経済大国に上りつめた原動力って何だろうか? ”モノ作り”である。 使い勝手の良い安価な外国の労働力を頼みにマーケティングゲームをやるようになってからニッポンはダメになった。原点=モノ作り(インタビューではキーワードの説明で自らそのようなことをおっしゃていた)に言及したところ、まさに我が意を得たりであった。

さて、新電子立国の方、一応折角だから全話見たが、実は最初から見たい部分は決まっていた。そう、伝説にもなっている 第5話 ソフトウェア帝国の誕生 -天才たちの光と影- (1996年2月放送)である。冒頭、Windows95の発売の熱狂、そして95年当時40歳だったビル・ゲイツがトヨタ・クラウンのハンドルを自ら握ってマイクロソフトに出社するシーンからお話は始まる。主なキャスト・・・

ビル・ゲイツ・・・マイクロソフト会長
ポール・アレン・・・マイクロソフト共同創業者
西和彦・・・元マイクロソフト副社長
ゲイリー・キルドール・・・元デジタルリサーチ社長、MS-DOSの元とも言われるOS、CP/Mの開発者
ティム・パターソン・・・MS-DOSのベースとなった86DOSの開発者
スティーブ・ジョブス・・・アップルの共同創業者、出演拒否のため写真のみ
アラン・ケイ・・・今日のPCの原点、ゼロックスのワークステション試作機ALTOの開発者

物語りのヤマ場はIBMが急遽PCを開発しなければならなくなったところだ。簡単に書けば・・・CPU=マイクロプロセッサの生産成功でコンピュータの製造がオープンになったことでソフトウェア開発競争も始まることになる。アップルのAppleIIは初の量産型マイクロコンピュータとして大成功、一般ユーザーを想定せずに開発を行っていたIBMは急遽AppleIIに対抗できる商品の開発を決定する。ハードの量産にメドはついたもののOS開発で手が詰まったIBMはゲイリー・キルドールにCP/Mのライセンス契約を持ちかけるも交渉は不調、マイクロソフトに打開策を打診する。当時OS開発をしていなかったマイクロソフトは、ティム・パターソンが開発したCP/M同等の86DOSを50000ドルで買い取り、IBM用にMS/DOSに作り直して大成功・・・一方、1970年代、ゼロックスが次世代オフィスソリューションを見据えた商品開発の中で作った、今日的PCの基礎といえるGUIを備えたALTOに目を付けたのがスティーブ・ジョブス。ゼロックス役員会はALTOの商品化を却下したものの、GUIシステムはアップルのLisa、続くMachintoshiで開花して一気にPC時代の扉を開けることになる。このGUIを取り入れ、巧みなライセンス戦略で世界を席巻することになるのがWindows・・・・・・・・

と、まあ500文字以内にまとめるとこんな感じだが、何せジョブス氏を除けば全部本人出演である。キルドール氏に至っては当インタビュー収録の2日後に急逝している。世紀のチャンスを逃したといわれるキルドール氏がゲイツ氏を批判、キルドール氏を評し「かわいそうにねぇ」という西氏・・・余りの生々しさに息を呑む。

調べれば、この辺りのお話では、そちこちで訴訟合戦になっていたようで、それこそ続編を作ってもらいたいくらいだが(笑)・・・ひとつの頂きに、チキチキマシン猛レースよろしく、あの手この手で上って行く男たちの素晴らしいドラマである。勝者はいたのだろうか・・・

3年前に”電子立国・日本の自叙伝”はDVD化されたが、”新電子立国”はその気配がない。しかし、第5話 ソフトウェア帝国の誕生 -天才たちの光と影-  は、こうしてPCの利便性を享受する我々必見の元気の出るドラマで、幸いあちこちの動画サイトで見ることができるので改めてじっくりご覧になることをおすすめしたい。改めて言うまでもないことだが、動画をダウンロードして保存したら違法、ストリーミングで動画を鑑賞すること自体は全く違法性はない。Google動画で検索すれば出てくる (2013,1,10)


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