02/28 タイタニック II(or タイタニック2 or タイタニック2世)

タイタニック II、タイタニック2、タイタニック2世:店長日記・アートポスター販売・Ocean-Note

昨日はタイタニック IIのことがニュースになっていた。随分前に知人からタイタニックのレプリカが建造されるらしいといった話を聞いてはいたものの気に留めることもないまま昨日のニュースである。で、どれどれと調べると・・・ま、一言で言えば、ニューヨークではちょっとした話題にはなったのだろうが、それは話題になっただけであって、ざっと調べてみると実現の可能性は薄いように感じた。上は発表された3Dレンダリング。

タイタニック IIの計画概略は、101年前のタイタニックと大きさはほぼそのままで、45000トンを65000トンにアップ、外観上は全通デッキの下(旧CデッキとDデッキの間にあたる)に新たにボートデッキを造り救命ボートを降ろせるようにするところが現代風である。一番上部、あのボートデッキにも救命ボートらしきものが描かれているが、ボートダビットまでは見えないので用途不明である。機関はもちろん蒸気レシプロではなくクイーンメリー2などと同じディーゼル電気推進のようだ。予定出力は64000馬力、101年前の方は46000馬力だから総トン数からすれば幾分パワーウェイトレシオは劣るが、水線下ではバルバスバウにするなど造波抵抗は減らされるようなので、発表されてはいないものの20ノット程度の巡航速度は出るかもしれない。だとすれば、クルーズ船としては俊足の方になる。内部装飾は、防火基準が違うので当時のように木材は使えない。その辺がリリースを読んでも良く判らないのだけど、多分防炎仕様の合板を使うのだと読み取れる。図面は公表されていないが、映画のセットで再現したくらいだからメインの見せ場、一等食堂のエントランスホールガラス屋根のドームや大階段はほぼそのまま再現するのだろうと思う。101年前の方は乗客2435名に乗員892名、タイタニックIIの方は乗客2400名に乗員900名でほぼ同じだ。今年、2013年に着工し2016年に就航、処女航海はサウサンプトン・ニューヨークになるのだという。

ということらしいが・・・何だかピンと来ない。まず、これを建造する船会社はブルースターラインという船会社のようだが、もちろんタイタニックのホワイトスターラインとは縁も所縁もなく、また1911年創業の英国のブルースターラインとも名前は同じでも関係がない。もっとも、ホワイトスターラインやレッドスターラインと違って、ブルースターラインは貨物専門で最後はマースクラインの傘下、1998年に消滅しているようだが。このブルースターラインは全く新たに興した船会社であり、まだ・・・運航実績はない。つまり、このタイタニックIIのために作った会社といっていいだろう。造船は中国の造船所が請け負ったそうだが、記者発表された裏で造船所は「まだ契約していないし、2016年竣工は無理」と談話も出ており270m近い船を造る船台もないのだという。

まだ先のこととは言え、客船の運航というのはえらく手の掛かる仕事だ。日本郵船だって、飛鳥で客船事業を再開する時は、ほぼゼロからの再構築だったそうだし、何をもっても人がいない。外航客船の船長から航海士、パーサーからマネージャーまで経験を持つ人材が必要だ。郵船も、かつてのノウハウはあっただろうに、スタッフや航海士たちは外国のクルーズ船に乗って経験を積んでから飛鳥をやったと聞いたことがある。ゼロからの船会社にそんなことが出来るんだろうか・・・まさか、北大西洋横断専門のクルーズ船にするわけでもないだろうし、どこをメインにクルーズするんだろう・・・などなど

一言で言えば「何のためにタイタニックIIなのか、良く分からない」と感じるのは僕だけだろうか?これはレクイエムにも何もなりゃあしないと思う。遊園地にタイタニックのアトラクションを造るのとは訳が違うのだ。別に、僕がお金を出すわけではないし乗りたいとも思えないのでとやかく言うことではないが、出来ることならタイタニックの船名を安易に使って欲しくは無かった。これをやるならばホワートスターラインの事業を引き継いだ現キュナードライン(キュナードはカナダのタイタニック犠牲者の墓地の維持管理もやっているのだ)がやるべきだったのだろうし、仁義的にはキュナードラインにしかタイタニックの船名を使う権利は無いのじゃないかと思う。それと・・・この計画を実行しよとしているオーストラリアの大富豪クライヴ・パーマー氏、以前にやはり飛行船ツェッペリンの復元レプリカをぶち上げて途中で止めたこともあって、パーマー氏が15年近くも粘り強く頑張ってアメリカズカップをアメリカから奪取したアラン・ボンドのようになれるか・・・果てさてどうなることやら・・・ (2013,2,28)

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