5. 海軍記念日 東郷元帥の大将旗

東郷元帥の大将旗

僕自身はミリタリーマニアではないし、至って中立・標準的な一市民なのだが、横須賀という場所柄か、オーシャンノートには旧海軍や現役・退官問わず海上自衛隊関係の方が出入りしていることも事実、先日はOBの方が、何でも印刷会社にお嬢さんがお勤めとかで、三笠で開催されている東郷元帥展のポスターを持参下さり店先に貼らせていただいている。いつかの戦艦大和展ではないが、ポスターを貼るだけ貼って知らぬ存ぜぬでは看板に偽りあり!みたいになってしまうと思い三笠公園まで出かけてきた。5月27日は海軍記念日、毎年、三笠では記念式典をやっているそうだが、今年は103年前の日本海海戦の時に三笠に翻っていた東郷元帥の大将旗が披露されるとのことで式典を見に行ってみた。

この大将旗、1905年、つまり103年前の日本海海戦を見た本物で、日本海海戦から6年後の1911年、東郷元帥が英国国王ジョージ5世の戴冠式のために渡英した際、若かりし日に留学した船員学校に寄贈したものだそうで、2006年に英国より東郷神社に返還されたのである。そもそも海軍記念日(1945年廃止)とは、1905年日本海海戦(国際的にはBattle of Tsusima=対馬沖海戦)の日を記念して制定されたもので、今日でも方々で式典やイベントが開催されているそうだが、今年はこの大将旗掲揚が目玉で例年よりひときわ大きな式典だったようである。13時45分から式典開始、あいさつの後、早速東郷大将の大将旗が三笠舷側に披露された。実は本物がメインマストに掲揚される予定だったのだが、さすがに103年前の旗は傷みもあるそうで、13時50分、レプリカの大将旗がすでに満艦飾でドレスアップされた三笠の後部メインマストに掲揚された。式典開始時刻が中途半端だと思っていたのだが、これもちゃんと理由がある。大将旗掲揚の13時50分は日本海海戦で三笠にZ旗が掲げられた時刻なのだそうだ。一説には13時55分とも言われるが、Z旗とは事前に連合艦隊に通達されていた「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」つまり海戦開始の号令の意だ。式典は蒲谷横須賀市長、米軍横須賀基地司令官ケリー少将のあいさつと続く立派なものであった。戦争を肯定するものではないが、やはり今日、諸問題や矛盾、不満を抱えながらも平和な日本があるのも、先人の努力と尊い犠牲あってのことと改めて感じる次第だ(2008,5,29初稿、2015年加筆)

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