08/31 海のミルク・・・カキの話

おととい、カキを使った水質浄化実験が始まったというニュースを聞いた。果たして、広い海で局地的に水質が浄化できるかどうかは、個人的にはなはだ疑問を感じるが、一理あるのは確かである。カキという貝は、ものすごい”きれい好き”でカキをバケツに入れて一日すると、バケツの水はほとんど無色透明になる。おまけに、この水、無菌なのだ。

横須賀に引っ越した頃、走水あたりででアサリを拾ったものである。一人暮らしで潮干狩りもない、ただ夜の荒れた波で上がっているアサリを拾うのだ。それでも小一時間で両手一杯くらいは拾った。そのうち、走水では稚貝を放流するようになって、有料の潮干狩りも始まったので、こちらは遠慮することとした。(ちなみに、アサリは漁業権があるので、本来は、やたらその辺で掘るとお縄である。もうひとつついでに、海外ではそのあたりはしっかりしていて、どこでもかしこでも釣り人がいる、ってな状況はない。その辺も、日本では、いかに海の文化レベルが低いか判る。あれだけ釣ったら、そりゃあ魚も減る。”海は皆のもの”ってのを勘違いしているのである。)

さて、寂しい一人暮らし、海辺をブラブラしていると、飲み屋で一個300円とか400円で売ってるカキと同じようなものがある。「これはカキじゃあないか?」で、その場で割って食べた。間違いない、カキである。(正確にはマガキである)それから数年間、冬のカキ獲りを楽しんだ。いろいろ調べると、東京湾のカキには漁業権がない。そもそも、波ではがれたものを拾って食うのだから問題ない。昼の引き潮を狙って出かけると、大小50個くらいは簡単に拾える。もちろん殻の閉じているものに限るが、カキは生命力も桁外れで、打ち上げられて乾いていても、ほとんど生きている。この頃に、海水のバケツにカキを入れると水がきれいになることを知ったのだ。悪乗りして、ある日、2つの会社にまたがって上司だったIさんを誘った。Iさんも半信半疑で横須賀まで来て、ビックリ!ところが、もっとビックリしたのは、もともと、横須賀産のこのカキ、街場で売っているカキより味が薄いことは感じていたのだが、(これはこの近辺に川が無いからと思われる)、余りの寒さから、Iさんが焚き火を始め、面白半分にカキを焼いたら、これが旨いのである。味が薄いカキが素晴らしいものに変身するのだ。あとで判ったことは、家のガスレンジで焼いても同じにはならず、焚き火の煙で半燻製のようになるから、余計に旨いのだ。

これが1993〜94年頃の出来事、その後、僕達を見ていたんだろう、カキを獲る人がポツポツと現れ、やがて拾えなくなってしまった。中にはバカ長で来るプロっぽい人もいたから、横須賀のどこかの飲み屋さんで出ていたのかもしれない。カキの水質浄化・・・というがお台場だって一杯カキがついている。最も遠目にみると岩ガキが多いようで、今回はマガキを使うようで・・・まあ、結果が楽しみだ。ちなみに、カキの貝毒というのは、フグの毒と似たような原理であり、海の微量な毒素を体内に貯める。フグはそれを蓄積してご存知テトロドトキシンを生成するが、カキはそのまましばらくすると毒は消える。カキの場合は、例えばバケツの中であれば、その水を無菌にしてくれる。と、いうことは、毒素のある海水域のカキを食べれば・・・当たることもある、ということである。因みに体調の悪い時に生ガキを食べたとすると3%くらいの確率であたるのだそうだ。

”R”の付く月ももうすぐなので、もうひとつ、おすすめ・・・生ガキに胡椒を振る。すると・・・赤ワインに合う。これは田崎真也さんの受け売りだが、試したら抜群であった。(2007,8,31)

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