02/22 OCEAN LINERS NOSTALGIA 別冊と増刊

世界の艦船別冊 OCEAN LINERS NOSTALGIA:店長日記 Ocean-Note

海人社から19日に発売された「世界の艦船別冊 OCEAN LINERS NOSTALGIA」が届いた。「世界の艦船」の増刊や別冊、2003年刊「世界の艦船別冊 傑作客船写真百選」や2004年刊「世界の艦船別冊 日本客船の黄金時代 1939〜1941」のいずれも再版されず、オークションや古書マーケットなんかでは結構な値段で取引されているので、さっさと買っておかなきゃ危うい。2000年発刊「栄光のオーシャンライナー」は度々触れているが、客船のお勉強の第一歩としてはこれ以上のものはないと確信する名書で、2007年頃にふと思い立って出版元のワールドフォトプレスに電話、「在庫があれば販売したい」旨お願いすると、以前は中野の実家近所の青梅街道沿いにワールドフォトプレス社があり、昔の伝手を頼ったこともあり快く卸してくれた。発売7年のこの時点で在庫は100冊弱だったと記憶しているが、編集担当者さんに「これは名書ですよ。再販はしないんですか?」と尋ねると「ありがとうございます。でも、社としてはこれは失敗だったんです。航空物で好調だったので相当な力を入れて客船をやってみましたが、多分、今後は客船はやらない思います」というお答えだった。社内では、本の出来は三ツ星ながら売れ行きは比例しなかったという評価だったそうだ。結局、何度か融通してもらい30冊ほど売りさばいたが、海人社さんにしてもワールドフォトプレスにしても、すべからく雑誌扱いの本はなかなか増刷できないという出版界の事情があるようだ。

この本の出来は・・・言うまい。日本ではなかなかこの手の資料書が無かったという意味では意義深いものだろう。もっと言えば、世界的に見てもドーバー出版のビル・ミラー編集の一連のオーシャンライナーシリーズくらいしか手軽に役立つものは見当たらない。欧米の資料書はキャプションが多すぎて写真集的なものはやはり少なく、字の多い専門書籍ばかりなのである。英文を読むのは時間がかかるし、残念だが苦痛である。海人社さんからは、「CRUISE TRAVELLER」という季刊雑誌が出ている。創刊号は2012年4月発売だったようだが、僕はたまたまブックオフでこれを見つけて600円で購入した。創刊号の出来は素晴らしく、申し込むとスイスアーミーナイフが貰えるというのでよっぽど定期購読しようかと思ったが、第二号を見て内容がスノッブすぎたので断念した。特に創刊号の野間恒さんが執筆された「英国客船の歴史」の項は素晴らしく、大いに期待したのだが・・・出版社にとっては、広告主獲得の面からも現役のクルーズ船に話題は傾かざるをえないわなぁ・・・でも、願わくば、多分外注の「CRUISE TRAVELLER」編集チーム(東京ニュース通信社という会社のようだ)に、今回の「 OCEAN LINERS NOSTALGIA」をやってほしかった。勝手な要望ではあるが

ちなみに、この季刊「CRUISE TRAVELLER」も「世界の艦船別冊」である。(笑) 別冊やら増刊というのは雑誌コードというものを新規にとることなく、すでに取得している雑誌コードによって既存の流通と知名度を利用できることから盛んに使われるタイトルなのだが、遡れば第三種郵便物の許認可を流用できることから編み出された手法だ。今は、廃止で話題のメール便やらゆうメールなど手段も多いので表記もされていないが、昔は雑誌の配送には第三種郵便という方法が使わ、その許認可番号は巻末や裏表紙に表記されていた。普通の雑誌なら150円くらいで送れるが、年三回以上の発行だとか認可基準があるので出版社や定期刊行物の発行元でないと利用できなかった。一冊だけムックを作っても第三種には認可されないので、別冊やら増刊という手を使ったわけだ。表記されていないということは、第三種郵便で送っていないということなのだろう。第三種郵便、業界紙なんかは今でも使っているが、新聞ならわずか15円で送れる。

我々の国は好む好まざるに関わらず、船が無ければ一日たりともやってゆけない島国である。先の大戦も、軍隊で負けたわけではなく輸送手段が尽きて負けたようなものである。どのような切り口であれ、あるいは悠久の時を紡いで時の権力者の政治的意図によって形成された根本的な農耕民族資質を曲げられないとしても、船や外海への興味が深まるのは宜しいことだと思う。こうした船の本がもっと頻繁にリリースされることを望んでやまない(2015,02,22)

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