09/27 ギンヤンマ

44回目の夏にして初めて・・・そんなことも、まだまだあるものである。この季節の虫捕り、ささやかな我が家の楽しみだ。小さい子供がいなきゃこんなこともないのだろう。何のことはない、夢中になっているのはこちらかもしれない。昨日は・・・生まれて初めてギンヤンマを捕まえた。

僕が育った昭和40年代の東京中野に自然らしい自然は無くて、トンボさえ珍しかったし、子供のころ週末を過ごした伊豆の網代や、母の実家の山形の最上川沿いの土地でもシオカラトンボやアブラゼミはいっぱいいたものの、いろんなものはいなかった。(もっとも、今は見られないものの当時の山形にホタルはいた)横須賀に来たのは20年ほど前だが、びっくりしたのはムカデとゲジゲジ。こんなものはゴムのおもちゃの世界で、どこにいるのかと思えば、ここにいたのだ。先日は夜中にとうとう、生まれて初めてムカデに噛まれた。もちろん飛び起きてしまった。当家が住まうマンションの廊下は蛍光灯にクワガタが飛んでくる。今年はゼロだったがカブトムシも来る。こんなことは網代でも山形でも経験がない。よっぽど田舎なのだろうか???

最初に書いたとおり子供がいなきゃあ、こんなことも無いだろうが、真夏のセミ捕りもこの歳になって真剣に取り組んで、一昨年はついに、捕まえにくいツクツクボウシやヒグラシも捕まえた。さて、今年は夏の初めにニュースで聞いたが、周期の関係でトンボの当たり年だとか・・・なるほど当たり年で、8月15日ごろ、突然ポスター屋のオーシャンノートの我が店内にオニヤンマが入ってきた。デカくて、黄色と黒のダンダラ、間違いない、オニヤンマである。心中、この興奮も忘れない中、昨日はギンヤンマである。

有名になっても困るので場所は詳しく書かないが、観音崎某所の虫捕りは去年からの楽しみだ。バッタやトンボが沢山いる。去年の風の強い日には、アキアカネが素手で捕り放題だった。長女もお手の物であった。今年はまだ暑く、もう2週間くらい先がピークになりそうだが、それでもアキアカネはずいぶん捕れる。ひとしきり楽しんで、ある場所まで行くと・・・いろんなトンボがいる。それぞれの種類はわからないが、(子供の頃はクラスには必ず虫博士みたいな子がいて、そんな子はどこで捕まえるのか、いつも虫を持っていた、そんな子なら全部わかるのだろうなあ)ひときわ大きく、早く飛び、羽の付け根の水色が鮮やかなトンボ、これは僕にも判る。ギンヤンマだ。アキアカネとは違う、スピードが違うから網さえ出せない。じっと待って徘徊のコースを読む。でも、僕が行くと微妙にコースを変える。それも網がギリギリ届かないようにだ。しゃがんで待つ。他のトンボと交錯、一瞬コースをこちら寄りに変えた瞬間、一発必中。一網で捕まえた。30分掛かりである。美しい。宝石のような黄緑の眼、胴の水色、神々しいくらいだ。どうせ、帰りには逃がすのだが、虫かごに入れることさえ躊躇われた。ひとしきり見て・・・逃がした。女房も子供も僕も・・・ため息だ。夢の中で、まだギンヤンマを追っかけていた。

いつまで、ギンヤンマがいるだろうか?子供たちは覚えていてくれるだろうか?ダメだ。「昨日捕ったトンボ覚えてる?」とたずねると「ギン・・・なんだっけ?」いつまでもトンボたちが飛ぶ空であってほしいものと願って止まない。(2007,9,27)

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