19. Cunard Queensの船内消印ラストカバー

Cunard Queensの船内消印ラストカバー

相変わらず日本では余り興味を持つ人が少ない大西洋航路のスーパーライナーに執心である。以前からクイーンエリザベスのラスト航海のカバーを持っていたが、クイーンメリーのカバーも入手したので、Queens Last Voyageと銘打って額装してみる。カバーを傷めない様にコンマ5mm単位で採寸してマットをカット、無酸性のコーナーやテープを使用して結構な神経を使う作業で、老眼の進行著しい身には厳しい作業である。引き出しの奥からカバーを取り出し夜中に一人で開帳してニヤニヤしていても始まらないから、こうして飾って楽しめるようにしたら良いのではないかというのは僕の提案である。

スコットランドのジョンブラウン造船所も閉鎖されて久しく、今や米国資本になったキュナード社ながらその運航客船は英国船籍であるものの、クイーンメリー2はフランスのアトランティック造船所、クイーンヴィクトリアと建造中のクイーンエリザベス(3代目)はイタリアのフィンカンティエーリ造船所で建造、思えば英国の黄金時代の最後を飾ったモニュメントとしてもクイーンメリーとクイーンエリザベスは無二な存在である。直立したブリッジに水線部が長いスターン形状は伝統的なクラシカルなデザインで重厚感を持つ。1936年に就航したクイーンメリーに続き1939年には姉妹船のクイーンエリザベスも就航して2隻でウィークリーサービスの予定だったが、クイーンエリザベスはクライド河からサウサンプトンでの命名式には向かわずニューヨークへ急航する。かくして第二次大戦中、クイーンズ姉妹は兵員輸送に大活躍、大戦後に大西洋航路に復帰すると戦時中の酷使がたたり往年の船足は望むべくもなかったが20年越しで悲願の2隻ウィークリーサービスを実現する。航空機時代が到来、2隻はクイーンエリザベス2の就航を待たずに退役、1967年にクイーンメリー、1968年にクイーンエリザベスが退役する。写真のカバーはそれぞれのラスト航海の時、船内局で消印されたものである(2009,11,19初稿、2015年加筆)

クイーンエリザベス2のパター【船と港のエッセイ】 CONTENT【船と港のエッセイ】 クイーンメリー2の図面【船と港のエッセイ】

ページトップへ