“Cunard R.M.S.Aquitania” ポストカード10種セット(送料無料)
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- p2271e・・・ロイヤルメールライン客船のファーストオフィサーを経て海洋画家へ転身したケネス・ショースミスによる1925年のキュナードラインのポスター。戦間期の客船ポスター代表作の一枚として高名な作品です。余りに有名な作品で、後年キュナード社自身によって新たに製作されたポスター(左右のビルの表面の石目が無いもの)もあります。古今、無数の再版版が数多く、今や何が本物かわからなくなるほどの名作ですが、1925年の貴重なオリジナルの画像データを発掘できたので、これを参照しました(Kenneth Denton Shoesmith, 1890-1939)
- p2832・・・作者不詳。おそらく艤装中にグラスゴー近辺で制作、使用されたと思われるポスターですが、何の目的で使用されたか不明です。大西洋航路への就役前に使用された貴重なものです
- p2580・・・作者不詳。アキタニアを描いたキュナードラインのポスター。作者不詳ながら図柄の回り縁のデザインや濃紺の背景に“CUNARD”の金縁赤文字、海と空のデフォルメなどアールデコデザインへの萌芽が見られます。製作年代も不詳ですが、1920年代に入ってからと考えられるポスターです
- p2273b・・・「smoke」の愛称で知られるポスター。赤の色飛びが著しく、当時の印象が正確に伝わるオリジナルは発見されていません。作者は不詳です
- p2588b・・・アキタニア就航の頃に描かれたとされる横方向カッタウェイのポスター。ルシタニアを描いた同じ図柄のものが有名ですが、細部を見て検討すると特に下部ホールド階層は全く同じで、1907年のルシタニアのカッタウェイポスターを描き直したポスターであることが判ります。現存の量から推測すると1907年のルシタニアのものよりはるかに少部数の製作だったと思われます
- p2584・・・英国の水彩海洋画家サミュエル・ジョン・ミルトン・ブラウンによるキュナードラインのポスター。中央に大きく描かれたのはアキタニア、アメリカ大陸右側はモーレタニア、ベランガリア、アキタニアが描かれています。右上に旅行代理店が社名を入れるスペースが設けられていますが余り役には立たなかったようです。第一次大戦後にドイツから賠償で得たベランガリアが描かれているので1920年頃以降と幅広い年代特定しかできませんでしたが、先ごろ日本郵船との提携をうたった上部に文字入りのポスターが発見され、日本郵船とキュナードが提携した1920年代後半のポスターであることが判りました。この郵船社名入りのポスターでは、やはり右上の縁取りスペースが無視されて上部全体に文字が入れられています(Samuel John Milton Brown, 1873-1965)
- p2278b・・・長年謎だった作者サインの“atler A.B.”がハーパーズバザーのアートディレクターとして今日のファッション誌の基礎を築いたアレクセイ・ブロドビッチだということが広く知られるようになったのはごく最近のことです。単にアールデコ様式に分類されがちな作品ですが、ロシア構成主義やキュビズム、バウハウスの強い影響や巨匠カッサンドルとの親交を通じた影響を見逃すことはできない重要なポスターです。他の船会社同様、キュナードラインも宣伝活動は現地の裁量で行われることも多く、このポスターは1929年にフランスで製作されフランスとカナダで使用されました。英語版とフランス語版があります(Alexey Brodovitch, 1898-1971)
- p2274c・・・1920年代後期(1930年前後)、LNER(ロンドン・アンド・ノースイースタン鉄道)の客船アキタニアのブリッジとA3-4472が描かれたポスター。LNERのクラスA3蒸気機関車は、英国で最も成功した蒸気機関車として知られますが、ここに描かれた4472Flying Scotsmanは、1923年から1963年まで使用され、英国鉄道の速度記録(100マイル超)を樹立し、今日唯一車両が保存されることになる機関車でした。ポスターの製作年代ははっきりしていませんが、下部の社名“CUNARD”が“CUNARD WHITE STAR”と書きかえられた全く同じ図柄のポスターも製作されていることから、1934年のCUNRAD WHITESTAR合併成立から遠くは遡らない時期に製作されたのではないかと考えられます。オリジナルは英国鉄道博物館に保存されています
- p2796・・・1930年代、ユニークな図柄のキュナードラインポスター。作者不詳
- p2272b・・・ポスター右下に“W.McD”とサインが入れられ、これがMcD Wellというポスター画家の作品で1934年の製作であるらしいということ以外に詳細がわからないポスターです。加えて本図がキュナードラインのパッセンジャーリストやメニューの表紙にも使用されたため話が余計にややこしくなっていましたが、フルサイズのポスターが現存しています。1936年にクイーンメリーが就航するまで、キュナードラインの旗艦はブルーリボン客船のモーレタニアだったと勘違いされがちですが、乗客にとっては乗り心地が良く、キュナードラインにとっては採算性の良いアキタニアは、こうして主役として描かれたように旗艦扱いでした
1907年就役のルシタニア級三番船として、1915年に就役した客船がアキタニアです。ルシタニア・モーレタニアは英国政府融資の条件として仮想巡洋艦転用を考慮したオーバースペックで建造されたのに対し、アキタニアはキュナード自前の計画で建造されたため、経済性を鑑み一回り大きな客船となりました。速度こそ2~3ノット遅かったものの、ルシタニア・モーレタニアで悩まされた振動と揺れは格段に改善され乗り心地の良い客船として絶大な人気を誇りました。通常、同クラスであれば新船の方が旗艦扱いされますが、キュナードラインの営業政策も、ブルーリボン船のモーレタニアより収益性と人気の高いアキタニアに肩入れが強く、クイーンメリーの就役以前のキュナードラインのポスターにはアキタニアが多く描かれました。アキタニアは1950年まで34年間運航され、クイーンエリザベス2が延命されて40年使用される以前では最も長い船齢を全うした名船でした
○ オーシャンノートオリジナルポストカードについて
当ポストカードは、ヴィンテージポスターの画像データをポストカード用にレイアウトした精密レプリカです。元となるヴィンテージポスターには破れや傷み、退色やヤケがあるものが多く、折れや破れなどの傷み部分は画像修正し、質感を損なわない程度に色相・彩度、明度等を調整し発表当時のポスターの再現につとめています。プリントはオンデマンドアートプリント、通常のデジタルプリントとは違って水ににじまず、実際のポストカードとしても使用できます。
通常の屋内環境で30年から40年以上は鑑賞に堪え得る保存が可能なので、資料収集向けにも適しています
○ ベースペーパーとプリント
紙:0.27mm厚、特注カットアート紙(参考:官製はがき t=0.22mm)
寸法:148mmx100mm(裏面に淡グレー色で“POSTCARD”表記、郵便番号枠無し。郵便ハガキとして使用できます)
印刷:オンデマンド、ピグメント(顔料)インク、屋内30年以上保存鑑賞可
ベースペーパーは官製インクジェットはがきより、やや白色度高めです
○ 商品のお届けとお支払いについて
- ポストカードシリーズは、普通郵便もしくは日本郵便クリックポスト(原則ポストカードセットで複数ご注文)にて御宅郵便受け投函でのお届けとなります
- 他の商品も合わせ、合計5000円未満のご購入では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済の3通り、ヤマト運輸代金引換はご利用できません。(システム上、ご購入画面に銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済しか表示されません)
- 合計5000円以上のご注文では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済に加え、ヤマト運輸代金引換もご利用できます。324円の代引き手数料が代金に加算されますが、ヤマト運輸宅急便扱いとなります
- 額装アート商品と併せてご購入の場合は、ヤマト運輸宅急便でのお届けとなります
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● キュナード・客船アキタニアのポスター、雑感
今日、私たちが接する情報から見れば、22年間に渡ってブルーリボンのタイトルを保持したモーレタニアがキュナード客船隊の旗艦で主役であったと考えがちです。現にそういった記述も多いように感じますが、モーレタニア、ルシタニア、アキタニアが描かれた当時のポスターを収集すると、一概にモーレタニアが主役だったとはいえないことがわかります。アキタニアが描かれたポスターが圧倒的に多いからです。ここからわかることは、まず原則に則り同クラスの船であれば新しい方が旗艦扱いになるということ、これに加えアキタニアの場合はモーレタニア・ルシタニアに比べ速度はやや落ちるものの大きく安定性があったため人気があり、キュナードラインとしても経済性の高いアキタニアへの肩入れが強かったということです。現にアキタニアは1950年まで36年間も運航され(モーレタニアは26年間)、大事にされた? ことがわかります (T.O.)
● キュナード客船ポストカード INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】