日本郵船・賀茂丸級のポストカード

“NYK Line S.S.Kamo Maru Class” ポストカード4種セット(送料無料)

日本郵船・賀茂丸級のポストカード

価格:

400円 (税込)

購入数: セット

上のサムネイル画像のポストカードセットです。サムネイルにポインタを乗せて表示、「拡大表示」クリックで拡大表示されます

  • p2653・・・作者不詳、1908年製作のポスター。オリジナルは150センチX100センチの特大版。主に英国の荷主と旅行代理店(乗船券販売)に向けて配布、使用されました。描かれているのは1908年就役の賀茂丸。日出国=極東の日本を表現した旭日のシンボルは、今日から見ると国家主義的な印象も持ちます。同じ図柄で全版(約B1版ポスター)の縮小版ポスターも製作され、またセーリングスケジュールのホールディングブローシャーにも図案が流用されています
  • p2708・・・英国の水彩画家スタンレー・チャールズ・ローウェルスによる日本郵船欧州航路のポスター。今世紀になってから英国で発見された珍しいポスターです。下書きの鉛筆が残った大判原画として発見されましたが、実使用印刷版の存在の有無は不明です。周囲の枠線やテキストコピーもいかにも下書きと思われる節があり、デザインのみで正式に採用されなかった可能性があります。賀茂丸以降、欧州ポスターデザインの影響もあって、日本郵船のポスターデザインも飛躍的に進歩を遂げており、様々な試行錯誤がなされていたのかもしれません。1910年前後の作品と思われますがスタンレー・チャールズ・ローウェルスの個人的習作である可能性は低く、なんらかの形で日本郵船からの依頼があったと考えられます。史料的には貴重なものです(Stanley Charles Rowles, 1887-1979)
  • p2062b・・・1910年製作のポスター。左側ライフブイに1911年のカレンダーが描かれたポスター。英語版も製作されました。作者は不詳。右下に東京三間印刷所製といれられています。まだ、銀座の三間印刷所のロゴマークは無かったと思われ、文字によって社名が明記されています
  • p2063b・・・1913年製作のポスター。橋口五葉は薩摩生まれ、上京して絵画を学び東京美術学校(現東京芸大)を主席で卒業、夏目漱石の初版本の装丁(猫から行人まで)、1911年には“此美人”が三越呉服店のポスターコンペで一等をとり、賞金1000円(現在の価値でおおよそ2000万円)を得て話題の人となりました。1914年製作の、この日本郵船のポスターは、三越の“此美人”ポスターと同じ構図で描かれたものです。背景は橋口五葉が以前に描いた油彩画が元になっているといわれており、正確に特定の客船が描かれた訳ではありませんが、五葉の年譜から最も多く建造された賀茂丸級が描かれたものと推測されます。図柄の中で女性が手に持つカードは1914年のカレンダーになっています。これは日本語版ですが英語版も製作されました。オリジナルは左下に銀座の東京三間印刷所のロゴマークが入れられています(橋口五葉, 1881-1921)

明治維新を迎えた日本ながら、海運においても欧米からの立ち遅れは大きく外航航路開設は容易ではありませんでした。内航でパシフィックメール(PM)を駆逐した日本郵船(当時、郵船三菱)は政府援助を得、上海航路新規参入でもPMとP&Oに勝利、日本の基幹産業になりつつあった紡績業の命運を賭けた安定的インド綿花輸入のためにボンベイ航路を開設、激しい欧州勢の妨害を退けると、1893年には航路を延伸してロンドン・欧州航路を開設、一挙に13隻の貨客船を投入します。(当時、日本・欧州間は往復180日、毎月二回出帆のためには12隻の船が必要でした。1隻は予備船です) 1902年、正式に欧州極東往航同盟に加盟、日本郵船は名実共に世界のフラッグキャリアーに名を連ねることになります。船質改善による収益向上が充分見込まれたため、日本郵船は1908年、13隻の欧州航路貨客船のうち旧型である6000トン神奈川丸級を8500トン級に船腹更新、これが1908年から1909年に就役した賀茂丸級貨客船、賀茂丸、平野丸、三島丸、宮崎丸、熱田丸、北野丸の6隻でした。日本郵船は、当時唯一英国船主以外で、ロンドン入港と積荷を捕れる特権を獲得し、欧州航路の経営は順調なもので1913年から1914年には賀茂丸級をスケールアップした香取丸級、諏訪丸級、合計5隻を就役させることになります


○ オーシャンノートオリジナルポストカードについて

当ポストカードは、ヴィンテージポスターの画像データをポストカード用にレイアウトした精密レプリカです。元となるヴィンテージポスターには破れや傷み、退色やヤケがあるものが多く、折れや破れなどの傷み部分は画像修正し、質感を損なわない程度に色相・彩度、明度等を調整し発表当時のポスターの再現につとめています。プリントはオンデマンドアートプリント、通常のデジタルプリントとは違って水ににじまず、実際のポストカードとしても使用できます。
通常の屋内環境で30年から40年以上は鑑賞に堪え得る保存が可能なので、資料収集向けにも適しています

○ ベースペーパーとプリント

紙:0.27mm厚、特注カットアート紙(参考:官製はがき t=0.22mm)
寸法:148mmx100mm(裏面に淡グレー色で“POSTCARD”表記、郵便番号枠無し。郵便ハガキとして使用できます)
印刷:オンデマンド、ピグメント(顔料)インク、屋内30年以上保存鑑賞可
ベースペーパーは官製インクジェットはがきより、やや白色度高めです

○ 商品のお届けとお支払いについて
  • ポストカードシリーズは、普通郵便もしくは日本郵便クリックポスト(原則ポストカードセットで複数ご注文)にて御宅郵便受け投函でのお届けとなります
  • 他の商品も合わせ、合計5000円未満のご購入では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済の3通り、ヤマト運輸代金引換はご利用できません。(システム上、ご購入画面に銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済しか表示されません)
  • 合計5000円以上のご注文では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済に加え、ヤマト運輸代金引換もご利用できます。324円の代引き手数料が代金に加算されますが、ヤマト運輸宅急便扱いとなります
  • 額装アート商品と併せてご購入の場合は、ヤマト運輸宅急便でのお届けとなります

ご不明な点はお問い合わせください

 category


● 日本郵船・賀茂丸客船のポスター、雑感

鎖国で立ち遅た日本が、外航航路に進出することは容易ではありませんでした。既得権を持つ欧州勢にとって、国のバックアップを得てダンピングも辞さずに航路拡大を図る日本郵船の存在は疎ましいものだったでしょう。特にインドへの特権を持ち、インド航路で莫大な利益を得ていた英国は独占とカルテルを守りたかったでしょうが、紡績業と日本郵船と政府の三者がガッチリとタッグを組んで国家不沈を賭けた日本の意気込みは強く、折れたのは欧州勢でした。一説によれば、ボンベイ航路参入にはP&Oの仲介があったともいわれますし、奇しくも日本郵船の欧州極東往航同盟=運賃カルテルへの加盟は、日英同盟締結と同じ1902年のことです。日本郵船は、外国船で唯一のロンドン積荷の権利を得ますが、改めて辿れば明治の先人たちのバイタリティと努力に感服するばかりです (T.O.)

● 日本郵船ポストカード INDEX

 ※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します

日本郵船・橿原丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・新田丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・照国丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・氷川丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・浅間丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・諏訪丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・香取丸級客船のポスター ポストカード 東洋汽船・天洋丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・賀茂丸級客船のポスター ポストカード

納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】

ページトップへ