日本郵船・橿原丸、出雲丸のポストカード

“NYK Line S.S.Kasiwara Maru Class” ポストカード3種セット(送料無料)

日本郵船・橿原丸、出雲丸のポストカード

価格:

300円 (税込)

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  • p2887・・・小林道彦制作のポスター。現存は確認されず、モノクロの資料画像のみが伝わっています。制作されたことだけは事実です。モノクロの資料画像から当社において復元しました
  • p2717・・・1941年頃に制作された橿原丸、出雲丸の完成予想の絵が用いられた1941年の欧米向けポスターカレンダー。中央の絵の部分は、今日でも橿原丸の完成予想図として引用されることの多いものですが、図案はモノクロでしか伝わっていませんでした。日米開戦したこともあり米国で使用されたポスターカレンダーもほとんど発見されていませんが、21世紀に入ってからアートオークションに出品されポスターカレンダーの存在が確認されました。オリジナルのポスターカレンダーは横約30cmX縦約27cm、小さなチラシ状のポスターカレンダーです。ポストカードフォーマットに合わせるために左右に青の背景部分を追加しましたが、それ以外は可塑修正以外の手は加えていません。デザイナー等は不明です
  • p2718・・・1940年の紀元2600年行事に合わせて制作された日本郵船橿原丸級のポスター。デザインは帝劇の美術を担当、舞台背景に洋画を取り入れたことで知られる洋画家、北連蔵。北晩年の作品ということになりますが、国家主義の時代にあって、日本郵船のポスターデザインにも自由度が少なくなっていました。そもそも、伝統的に社名を船名に頂いたとは言いながら、橿原神宮は明治時代の創建。1940年、昭和天皇が行幸、紀元2600年行事の中心的役割を果たすなど、明治以降の皇国史観によって意識的に格式が作られた神社でした。橿原丸姉妹船の出雲丸が名を頂いた出雲大社は周知の名古刹、この二社の名をいただく際に、格式高い出雲ではなく橿原をネームシップとしたことに疑問が残ります。日本郵船が1930年代に好んだ正調アールデコ路線とは縁遠い北連蔵の起用も事情があったように想像されます(北連蔵, 1876-1949)

第二次大戦の戦雲垂れ込める1930年代後半、国防の観点(有事の軍艦転用)から実施された大型優秀船舶建造助成施設補助に則り、日本郵船によって建造開始されたのが橿原丸級客船、橿原丸と出雲丸でした。ドイツの客船ブレーメンを意識して計画されたといわれ、26000トン、200m超、蒸気タービン2軸55000馬力超、速度25.5ノットは、大西洋航路のトップグループを除けば客船としての船容と性能はずば抜けたものであり、もし両船が就役すれば、カナディアンパシフィック、ダラーライン改めAPLを凌駕する太平洋最大最速の客船隊が実現します。しかしながら、戦争の足音が遠のくことはなく、日米開戦の約一年前にも関わらず建造中の両船は海軍に買い上げられ、開戦翌年の1942年に航空母艦、飛鷹、隼鷹として完成することになります。「幻の客船」への憧憬は郵船社内にも強かったようで、1991年に就役した日本郵船の客船事業復帰の最初の船、客船飛鳥のラウンジには橿原丸の絵画が飾られました。飛鳥の建造にあたっては橿原丸級を意識して、これを上回る要目で計画が進められたといわれますが、速力では橿原丸級の方が勝っています。
尚、橿原丸の橿原のローマ字表記は広く使用されるヘボン式では“KASHIWARA”となるはずですが、当時の日本郵船の船名表記やポスターのテキストでは訓令式の“KASIWARA”となっており、これに倣いました


○ オーシャンノートオリジナルポストカードについて

当ポストカードは、ヴィンテージポスターの画像データをポストカード用にレイアウトした精密レプリカです。元となるヴィンテージポスターには破れや傷み、退色やヤケがあるものが多く、折れや破れなどの傷み部分は画像修正し、質感を損なわない程度に色相・彩度、明度等を調整し発表当時のポスターの再現につとめています。プリントはオンデマンドアートプリント、通常のデジタルプリントとは違って水ににじまず、実際のポストカードとしても使用できます。
通常の屋内環境で30年から40年以上は鑑賞に堪え得る保存が可能なので、資料収集向けにも適しています

○ ベースペーパーとプリント

紙:0.27mm厚、特注カットアート紙(参考:官製はがき t=0.22mm)
寸法:148mmx100mm(裏面に淡グレー色で“POSTCARD”表記、郵便番号枠無し。郵便ハガキとして使用できます)
印刷:オンデマンド、ピグメント(顔料)インク、屋内30年以上保存鑑賞可
ベースペーパーは官製インクジェットはがきより、やや白色度高めです

○ 商品のお届けとお支払いについて
  • ポストカードシリーズは、普通郵便もしくは日本郵便クリックポスト(原則ポストカードセットで複数ご注文)にて御宅郵便受け投函でのお届けとなります
  • 他の商品も合わせ、合計5000円未満のご購入では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済の3通り、ヤマト運輸代金引換はご利用できません。(システム上、ご購入画面に銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済しか表示されません)
  • 合計5000円以上のご注文では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済に加え、ヤマト運輸代金引換もご利用できます。324円の代引き手数料が代金に加算されますが、ヤマト運輸宅急便扱いとなります
  • 額装アート商品と併せてご購入の場合は、ヤマト運輸宅急便でのお届けとなります

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● 日本郵船・賀茂丸客船のポスター、雑感

鎖国で立ち遅た日本が、外航航路に進出することは容易ではありませんでした。既得権を持つ欧州勢にとって、国のバックアップを得てダンピングも辞さずに航路拡大を図る日本郵船の存在は疎ましいものだったでしょう。特にインドへの特権を持ち、インド航路で莫大な利益を得ていた英国は独占とカルテルを守りたかったでしょうが、紡績業と日本郵船と政府の三者がガッチリとタッグを組んで国家不沈を賭けた日本の意気込みは強く、折れたのは欧州勢でした。一説によれば、ボンベイ航路参入にはP&Oの仲介があったともいわれますし、奇しくも日本郵船の欧州極東往航同盟=運賃カルテルへの加盟は、日英同盟締結と同じ1902年のことです。日本郵船は、外国船で唯一のロンドン積荷の権利を得ますが、改めて辿れば明治の先人たちのバイタリティと努力に感服するばかりです (T.O.)

● 日本郵船ポストカード INDEX

 ※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します

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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】

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