日本郵船・照国丸、靖国丸のポストカード

“NYK Line M.S.Terukuni Maru Class” ポストカード3種セット(送料無料)

日本郵船・照国丸、靖国丸のポストカード

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300円 (税込)

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  • p2221b・・・ギオルギー・ヘミングによる1933年のポスター。(原画製作は1932年) ポスターのテーマ自体は、日本郵船の世界一周航路、もしくは当時世界有数にまで成長した航路ネットワークを誇示する内容です。大胆にデフォルメされた客船は特定の船を描いたものではありませんが、ヘミングが来日するにあたって日本郵船の欧州線に乗船した可能性が高く、通風塔の形状から自ら乗船した照国丸級をイメージしたのではないかと考えられます。このヘミングのポスターは、比較的多く発見されているので、同年代の日本郵船のポスターの中では製作数量が飛び抜けて多かったのではないかと想像されます。ギオルギー・ヘミングはピアニスト、フジ子・ヘミングの実父、ロシア系スウェーデン人建築家でした(Josta Georgii Hemming, 1910?-?)
  • p2223b・・・1929年製作のポスター。洋画家、吉田博が新版画版元の渡辺庄三郎と出会ったのは1920年、以後、新版画の新境地で北米にて個展を開催、1923年、関東大震災によって版木を焼失すると1927年以降は自ら版元となります。このポスターの元の作品“舞妓”は1922年出版とされていますが、“よし田”の版元印の作品しか残されておらず、実際には自身版元となった1927年以降である可能性が高いと思われます。オリジナルは英国で発見されており、欧州線の照国丸就役に合わせて競争力が低下していた欧州線のPRのために使用されたのではなかと考えられます。大変珍しいポスターで“舞妓”の部分は新版画(浮世絵の手法、日本独特の木版)、文字部分は活版印刷です。恐らく、新版画を刷る部分を空白のまま活版印刷し、これに新版画を刷ったのではないかと思われます。オリジナルの大きさは縦45cm、版画部は約33cm、中奉書の大判です。つまり、“よし田”の版木を使用して刷られたであろうことがわかります。いわゆる美人画的なものは多くありますが、ポスターの刷り自体はリトグラフが普通で、浮世絵や新版画をそのままポスターに利用したものは大変珍しいといえます。下部、活版部分は色が飛び、読みづらいほど状態が悪かったため、オリジナルをもとに文字を起こし直して復元しました(吉田博, 1876-1950)
  • p2714・・・戦前のアールデコ全盛期に、本場パリで唯一活躍した日本人ポスター作家、里見宗次によるポスターカレンダーのイラスト。左上サインの下に“36”(1936年)と入れられており、1937年の英語版カレンダーとして制作されました。後年、里見自身が語るところによれば、この図案制作にあたっては日本郵船の欧州線、横浜からポートサイド(里見の下船地は不明ながら、恐らくポートサイド、ナポリを通過してマルセイユではないかと思われます)までの船旅が思い出深く、これをイメージしたとしています(里見宗次, 1940-1996)

第一次大戦後、世界的に海運不況の嵐が吹いたものの、日本郵船はいち早く欧州線の船質改善に取り組み、香取丸級1万トン型の貨客船を新造、頭文字をとったH型貨客船、箱根丸、榛名丸、筥崎丸、白山丸の4隻を投入しました。しかし、欧州各国が戦禍から立ち直って新船を投入する(特に欧州線においては欧州勢はゼロスタートからの新鋭船投入となった)と、やがて1908年の賀茂丸級も混じる日本郵船の欧州線船隊の見劣りは否めないようになります。1927年には東洋汽船を合併しサンフランシスコ線を得るものの、これもダラーライン、カナディアンパシフィックの猛追にさらされていました。そこで、日本郵船は1929年から1931年にかけて、太平洋航路、欧州航路の船腹更新を一気に実行、サンフランシスコ線に浅間丸級、シアトル線に氷川丸級、そして欧州線には照国丸級、照国丸、靖国丸の二隻を投入して欧州線での劣勢を挽回しました。
下って1940年、欧州線には新たに新田丸級3隻が投入される予定でしたが、すでに1939年には照国丸がテームズ川で触雷沈没、やがてドイツがポーランドに侵攻すると欧州線の継続は困難になり、新田丸と八幡丸(第三船の春日丸は竣工前に空母に改装)が欧州航路に就役することはありませんでした。1893年に開設された日本郵船欧州航路、照国丸、靖国丸は日本郵船が最後に就役させた欧州線定期客船となりました


○ オーシャンノートオリジナルポストカードについて

当ポストカードは、ヴィンテージポスターの画像データをポストカード用にレイアウトした精密レプリカです。元となるヴィンテージポスターには破れや傷み、退色やヤケがあるものが多く、折れや破れなどの傷み部分は画像修正し、質感を損なわない程度に色相・彩度、明度等を調整し発表当時のポスターの再現につとめています。プリントはオンデマンドアートプリント、通常のデジタルプリントとは違って水ににじまず、実際のポストカードとしても使用できます。
通常の屋内環境で30年から40年以上は鑑賞に堪え得る保存が可能なので、資料収集向けにも適しています

○ ベースペーパーとプリント

紙:0.27mm厚、特注カットアート紙(参考:官製はがき t=0.22mm)
寸法:148mmx100mm(裏面に淡グレー色で“POSTCARD”表記、郵便番号枠無し。郵便ハガキとして使用できます)
印刷:オンデマンド、ピグメント(顔料)インク、屋内30年以上保存鑑賞可
ベースペーパーは官製インクジェットはがきより、やや白色度高めです

○ 商品のお届けとお支払いについて
  • ポストカードシリーズは、普通郵便もしくは日本郵便クリックポスト(原則ポストカードセットで複数ご注文)にて御宅郵便受け投函でのお届けとなります
  • 他の商品も合わせ、合計5000円未満のご購入では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済の3通り、ヤマト運輸代金引換はご利用できません。(システム上、ご購入画面に銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済しか表示されません)
  • 合計5000円以上のご注文では、お支払いは銀行振込、ゆうちょ銀振替、クレジットカード決済に加え、ヤマト運輸代金引換もご利用できます。324円の代引き手数料が代金に加算されますが、ヤマト運輸宅急便扱いとなります
  • 額装アート商品と併せてご購入の場合は、ヤマト運輸宅急便でのお届けとなります

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● 日本郵船・賀茂丸客船のポスター、雑感

鎖国で立ち遅た日本が、外航航路に進出することは容易ではありませんでした。既得権を持つ欧州勢にとって、国のバックアップを得てダンピングも辞さずに航路拡大を図る日本郵船の存在は疎ましいものだったでしょう。特にインドへの特権を持ち、インド航路で莫大な利益を得ていた英国は独占とカルテルを守りたかったでしょうが、紡績業と日本郵船と政府の三者がガッチリとタッグを組んで国家不沈を賭けた日本の意気込みは強く、折れたのは欧州勢でした。一説によれば、ボンベイ航路参入にはP&Oの仲介があったともいわれますし、奇しくも日本郵船の欧州極東往航同盟=運賃カルテルへの加盟は、日英同盟締結と同じ1902年のことです。日本郵船は、外国船で唯一のロンドン積荷の権利を得ますが、改めて辿れば明治の先人たちのバイタリティと努力に感服するばかりです (T.O.)

● 日本郵船ポストカード INDEX

 ※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します

日本郵船・橿原丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・新田丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・照国丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・氷川丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・浅間丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・諏訪丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・香取丸級客船のポスター ポストカード 東洋汽船・天洋丸級客船のポスター ポストカード 日本郵船・賀茂丸級客船のポスター ポストカード

納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】

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