● 1937年 里見宗次・日本郵船カレンダー レプリカ 額入りジクレーアート
≪NIPPON YUSEN KAISHA FOUNDED IN 1885, 140 VESSELS, 820000 GROSS TONS≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :里見宗次
製作年 :1937
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 525mm x 410mm
作品サイズ : 407mm x 272mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは417 x 282mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1937年 里見宗次・日本郵船カレンダー
日本郵船、1937年のカレンダーです。オリジナルの大きさはA3ほど、ボール紙の台紙裏にはカレンダーを立てるための折りたたみ脚と吊り下げ用金具がついています。船の船体シアーラインの上、「WORLD-WIDE PASSENGER AND FREIGHT SERVICE」文字の下に同じ船体図柄の三か月めくりのカレンダーが貼り付けられており、カレンダーが終わって外すと本作の状態となります。1936年の本作制作の時点で、日本郵船の船腹は140隻82万トンとここに記されていますが、翌年の北米向けポスターでは150隻875000トン、1940年制作のポスターには190隻1240900トンと、第二次大戦に向けて船腹量を増やしてゆきます。日本の商船船腹量は第一次大戦中にノルウェー、ドイツを抜き英、米に次ぐ世界第三位まで急伸してその後これを継続、日本郵船は世界有数の船社として君臨していました。
本作は戦前のパリでアールデコアーティストとして活躍した唯一の日本人デザイナー、里見宗次によって描かれたものです。オリジナルは四角が丸くカットされて外側に細い黒縁が一周していますが、本レプリカでは図案をスポイルする黒縁を省略しています。左上に里見宗次のサインと年号「SATOMI 36」、右下には小さく「CREATION M SATOMI PARIS No 2123」と入れられています。パリに通りの名が無い「No 2123」のみの住所は無いので「No 2123」は本作の作品番号と思われます。里見は1904年大阪生まれ、旧制中学卒業後の1922年に渡仏、パリ国立美術学校で油絵を学びます。1927年に父親が他界すると滞仏費用に窮して商業画家に転身、パリで始終行われていたポスターコンペで度々入選、その縁でパリで活躍していたポスター画家の第一人者、アドルフ・ムーロン・カッサンドルと懇意になります。里見はカッサンドルの代表作「NORD EXPRESS」に衝撃を受け、大胆で極端なカッサンドル流のアールデコ表現を吸収し、パリの「アールデコ」ポスター画家としての地歩を固めました。1922年の渡仏以来、初めての帰朝は1936年、この時に秩父丸を描いた日本郵船のポスターを描いたとする著述が散見されますがこれは間違い、件のポスターは1935年の滞仏中の仕事で、1936年の帰朝時には本作カレンダーを描きました。尚、帰朝時には鉄道省(JAPANのポスター)と御木本のポスターも描いています。
カレンダーは消耗品なので、使用が終われば殆どは破棄さてしまいます。このカレンダーは使い終わってもカレンダーを外せばご覧の通りにきちんと図柄が続いており、そのまま飾っておくことが可能でしたが、制作された絶対量は知る由もないものの、現存するものは極めて少量です。このカレンダーの図柄が元になって、1973年には作者の里見自身が新たな日本郵船の習作ポスターをデザインしています
・ 雑感
遠目には、一種漫画チックにも見える本作ですが、例えばNYK LINEの「N」の人物の顔などは、経年の色飛びで見づらいものの、顔半分を覆う髪の毛や里見の描いた眼がシリアスで艶っぽい表情を見せています。そもそも、まさかあのカッサンドルが「俺はアールデコ画家」と始終自己規定しつつ筆を走らせたこともなかったでしょう。アールデコの守備範囲は広く、むしろ時代区分と割り切った方がスッキリする場合さえあります。里見の本作は、じっくり近づいで見れば、アバンギャルドやシュルレアリズムの香りがします。エコール・ド・パリ、まさに芸術やアートの坩堝だと感じさせられます(T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】