● 1935年 ジャン・ピオベール 客船ノルマンディー・モービル石油雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪AU COEUR DU PAQUEBOT NORMANDIE, Mobil≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :Jean Piaubert
製作年 :1935
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1935年 ジャン・ピオベール 客船ノルマンディー・モービル石油雑誌広告
1911年にスタンダード石油が反トラスト法によって分割されて設立されたのがモービル石油です。セブンシスターズ一角を占めた石油メジャーのひとつですが、1920年代からほぼ半世紀に渡る広告宣伝活動は、石油に依存した社会を象徴的に切り取った単なる企業広告の枠を超えた、時に雑誌本文記事にも勝る時宜を得た時事的な重みを持つ内容をトピックしていました。無論、キャプションにはあからさまに自社PRが含まれていたので、その部分を割り引いたものとしてです。
欧州モービル支社がフランス国内でリリースした雑誌広告です。それこそフルサイズのポスターでなかったことに慙愧の念を抱かせるほど素晴らしいイラストワークです。広告主はモービル、広告代理と製作はEt. & L. Damour Publicit?, Paris社が担当、デザインはジャン・ピオベールです。ダムール社は、有名なリトグラフポスター印刷所のリーヴァン・ダネル社などとは違う、現在で言うところの広告代理店兼制作会社の業態でプジョーの広告やポスターを手がけていたことで有名、本作右下に「Dam」と略称のロゴが入れられています。ジャン・ピオベールは、戦前はアールデコテーストのポスターを描いており、チュニジア産オリーブオイルのポスターが最も知られますが、むしろ戦後の抽象画家としての活躍で世界的に評価され、1950年代には日本でも巡回展が開かれました。(その後国立近代美樹館は作品を購入、所蔵しています)
かなりのデフォルメでストリームラインを強調していますが、構成主義的色合いは弱く、さらにピオベール戦前ポスター作品の特徴であるサヴィニャックのようなマンガチックな筆致もここでは鳴りを潜め、それが本作の魅力になっています。右側コピーライトは英文に直せば「the hart of passanger ship normandie」といったところですが、実は実物はこのコピーに加えて小さな文字でモービルの潤滑油がノルマンディーに使われて高性能を発揮している由のキャプションが入っています。さんざんの検討や試作の結果、絵の雰囲気と内容がミスマッチと判断し、小さな文字のキャプションを省略してコピーを数段海面際まで下げてアレンジしてあります。紙面全体に黄ばみが強いですが、コントラストが狂って絵全体が変化してしまうためこの黄ばみだけを可塑修正することはできませんでした。名作です
・ 雑感
かつては二束三文だった雑誌広告の紙資料、当然「資源」量は限られており、現在は高騰著しく入手が困難です。本作は作者がフランス前衛芸術のビッグネームということもあり、場合によっては1000ユーロを軽く超える価格で取引されます。そのうち、雑誌広告もクリスティーズなどのオークションにかかることになるのかもしれません (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】