● 1912年 ホワイトスターライン 客船オリンピックとタイタニックのポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪WHITE STAR LINE, OLYMPIC TITANIC, LARGEST STEAMERS IN THE WORLD, EACH 45000 TONS≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1912
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面t=1.5mmクリアーガラス
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1912年 客船オリンピック タイタニックのポスター
通称、「BIG RED」と呼ばれるオリンピックとタイタニックのポスター、海事史上最も重要なポスターのひとつです。
処女航海で悲劇的な沈没に見舞われたことによって世界一有名な伝説の客船になったタイタニックですが、沈没から一世紀を超えた今日に至るまで様々な研究や議論は尽きません。憶測や思い込みによる物語も多く、そちらの方面の話はここでは割愛します。アメリカの事業家J.P.モルガンはアメリカの鉄道事業を次々と買収してトラストを形成、競争過多で疲弊していた鉄道業界の再編に成功し、運賃を一定水準に安定させることで莫大な富を得るとともに鉄道の安全・発展にも寄与しました。この成功体験をもとに、20世紀が明ける頃に大西洋航路の独占を思いつきます。鉄道事業再編に倣った買収・独占の手管で、北大西洋航路において英国のキュナードライン以外の主要船社は、モルガンの持ち株会社インターナショナル・マーカンタイル・マリーン=IMMの傘下、もしくは資本提携下に置かれるという奇異な状況が現出しました。英国は国防上も国威上もこれを良しとせず、キュナードに莫大な国家資金を貸し付けてルシタニアとモーレタニアを建造します。
WSL・ホワイトスターラインの二代目社長であったブルース・イズメイは当初IMMの買収提案に否定的な立場をとりました。ところが、二人三脚で事業を拡大してきた造船所、ハーランド&ウォルフのピリー卿は、キュナードのように政府の強力なバックアップを得ずとも、莫大な米資本を得ることで新船建造が容易になることからIMM傘下入りに賛意を示し、ピリー卿の意向に抗えなかったイズメイはIMM傘下に入る決断を余儀なくされました。ルシタニアとモーレタニアは最早、巡洋艦の船体に客船を被せたと言って差し支えないほどの性能を持ちながら、客船としての営業収支は半ば度外視された感のある船で、海軍の技術力を得ずにこの姉妹船に対抗するには発想を転換するしかありません。幸いWSLの創業者トーマス・イズメイは最晩年に、以後の事業の方向性として速度競争からの脱却と乗り心地の良い安全な客船という考え方を示し実践していました。こういった経緯から発案されたのがオリンピック、タイタニック、ブリタニックの三姉妹船の建造でした。キュナードのルシタニア・モーレタニアに対し適度な速度と大きく安全な客船という答えを見出したものでしたが、その大きさは当時世界最大であったキュナードの姉妹船から総トン数で一気に5割増しという途方もないものでした。タイタニックの事故によって様々な問題点も指摘されるところですが、それは結果論であり、当時の技術水準と安全に対する社会通念からすれば間違いなく「不沈船」の名に恥じない客船でした。
WSLは、英国的な野暮ったさを持っていたキュナードに対し、洗練されたプロモーションに長けていました。ポスターや雑誌広告もかなり積極的に手数を出しており、特に多用されたコーポレートカラーの赤い背景にホワイトスターの白い星を配したショッキングなデザインは、アールデコやバウハウスの1920年代以前、1910年前後の時期にあっては抜きん出た奇抜性を持って強烈な印象を与えました。また、宣伝や営業方針に違わず、WSLの船旅の満足度は非常に高く、後にWSLを吸収合併したキュナードラインでは、21世紀の今に至っても顧客サービスに「ホワイトスターサービス」という名を冠せて、船内スタッフの胸にそのバッジをつけさせています。あらゆる意味で、今日の私たちが想像する以上にWSLの存在感は大きなものでした。
世界一有名になってしまったタイタニックながら、建造中、あるいは就役時は「オリンピックの姉妹船」という立場でした。従って当時の「タイタニックのためにリリースされたポスター」は存在しません。というより、造船所の船台の関係で遅れて建造されるブリタニックは別にして、ほぼ同時に船台に乗っていた両船は「オリンピックとタイタニック」という姉妹船で扱われていました。就役予告を別にしてオリンピックとタイタニックの描かれたフライヤーポスターなどを除く純ポスターは、今日知られる限りは3種類、ひとつは大きなテキスト文字だけの就役予告、今一つは旅行代理店・チケット代理店向けに配布されたトラディショナルなタイプ、そして1912年にリリースされたこの「BIG RED」です。オリジナルはリトグラフで、100X65cmの大判、ホワイトスターラインが社運を掛けて就役させる気勢と情熱が十二分に伝わる名作ポスターです。極めて現存数が少なく、また一般公開される機会を持つ美術館や博物館による所蔵もなく、幻のポスターになりつつあります。本商品は、かつて公開されていた資料画像を特殊なAI処理型画像処理ソフトウェアを使用しPC画像上で原寸大にまで拡大、状態の悪い部分を別の資料から同処理したものを合成して膨大な時間を掛けて復刻再現したオリジナルレプリカです
・ 雑感
上記の通り、非常に現存が確認しづらい名作です。当時のホワイトスターのポスターの現存の状況からすると、相当数を目にすることが出来ないことが不自然であり、タイタニックが高名になったため所蔵家が門外不出としてるものと推測されます。残念なことです。上記でも触れた、代理店向けポスターは2010年頃に未使用版が出品され邦貨にして350万円もの価格で落札されましたが、もし未使用のBIG REDが発見されれば15万ドル(1600万円!)になるとも囁かれています。一方、1990年代には原寸大のオフセットレプリカが出回っていましたが再販されることなく今に至り、入手が困難になっています。客船史上も超一級の史料といえる逸品です。尚。BIG RED及びタイタニックのポスターにつては客船ポスター四方海話で触れております(T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】