● 1893年 キュナードライン 客船カンパニアの写真 額入りジクレーアート
≪SS Campania, CUNARD LINE≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
撮影者 :anonymous
撮影年 :1893
額縁・マット : カマボコ型 12mm t=1.5mmx2枚ダブルマット 前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 525mm x 410mm
作品サイズ : 407mm x 272mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは417 x 282mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中の写真家やアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せは銀塩写真とは比較にならない耐光性を持ち数十年単位の鑑賞に耐えます。写真データに傷や劣化の補修、コントラストなどの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1893年 客船カンパニアの写真アートプリント
余り知られていませんが、通称「キュナードライン」の発足当初の正式社名は「British and North American Royal Mail Steam-Packet Company」といい、創業者のサミュエル・キュナードが1865年に亡くなる頃以降、社業であった英国政府委嘱の大西洋横断郵便輸送は事業の柱であったものの、大西洋航路収益源の乗客輸送へのシフトには取り残されます。理由のひとつは、英国海軍省との保守的な郵便輸送契約にスクリュープロペラ船が禁じられていたことで、外輪船は同じ速度を得るためにほぼ倍量の石炭を必要としました。競合他社がスクリュー船でスピード競争を繰り広げ収益を上げるのを横目に、採算ギリギリの郵便輸送に甘んじているうちに会社の体力は奪われ、スクリュー船が解禁されても新鋭船の建造には手が届かなかったようです。変化は1879年に訪れます。社名を「Cunard Steamship Company, Ltd 」に改め経営陣を一新、株式を公開して資本増強に成功しました。
華やかに見える大西洋横断速度競争は安全やサービスの質とイコールではないものの、乗船客獲得には最新鋭の客船、すなわち大衆が注目する速度競争の影響が大きかったことは事実で、郵便輸送契約さえも乗客獲得の「安全のお墨付き」と化していました。大幅な増資に成功したキュナードラインは、1885年に客船エトルリア級姉妹船を建造、運良く英国政府の特設巡洋艦転用商船への造船技術と補助金供与の方針に合致し、両船は大西洋横断最速記録を更新、キュナードラインは再び大西洋航路のトップグループに躍り出ました。絶大なる大西洋横断最速記録=ブルーリボンの効果で大幅増収を果たし、1890年に一旦はホワイトスターラインのチュートニック級姉妹船に最速記録を渡したものの、1893年には本船カンパニア級姉妹船を就役させ再び最速の地位を取り戻しました。カンパニア級客船の性能と船内設備が当時いかに追随を許さぬ出来栄えだったかは、ホワイトスターラインが以後、速度競争から身を引いたことからも理解されます。
客船カンパニアは全長190m、1万3000トン、三段膨張機関で三万馬力超、キュナードでは初めてのツインスクリュー船で、ツインスクリューによって帆装が廃止された二本マストを持つ二本ファンネル船でした。この後に、ドイツの四本ファンネル高速客船で究極に至るものの、19世紀中葉から日進月歩してきた蒸気レシプロ機関は完成の域に達したと言われ、以後の高出力機関は蒸気タービンへと移ることになります。ニューヨークへの処女航海で西航・東航ともに速度記録を更新、処女航海ブルーリボン獲得船に名を刻みます。19世紀の蒸気船の完成形として記憶に残る名船でした。写真は1893年、ニューヨーク・チェルシー埠頭で撮影されたものです
・ 雑感
世界史の教科書を読めば、ヴィルヘルム2世親政のもとで1900年に成立した艦隊法以降、英独の建艦競争が始まったとなっています。しかし、実は建艦競争はすでに有事特設巡洋艦の商船建造で始まっていたと考えるべきかもしれません。1889年のポーツマス沖の英海軍観艦式に列したホワイトスターラインの客船チュートニック(武装で参加)を見たヴィルヘルム2世が大いなる刺激を受けたことは有名ですが、これに続く英海軍工廠肝いりの客船がキュナードのカンパニアとルカニアでした。艦隊法による建艦競争が第一次大戦開戦の遠因であれば、その艦隊法を成立させた遠因はカンパニアとルカニアの登場だったと考えられます (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Photo Ocean Liner INDEX
※写真画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】