● 1950年 客船リベルテとイル・ド・フランスの写真 額入りジクレーアート
≪SS Librete and SS Ile de France at Pier 88 N.Y.≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
撮影者 :anonymous
撮影年 :1950
額縁・マット : カマボコ型 12mm t=1.5mmx2枚ダブルマット 前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 525mm x 410mm
作品サイズ : 407mm x 272mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは417 x 282mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中の写真家やアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せは銀塩写真とは比較にならない耐光性を持ち数十年単位の鑑賞に耐えます。写真データに傷や劣化の補修、コントラストなどの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1950年 客船リベルテとイル・ド・フランスの写真アートプリント
戦後CGTフレンチライン客船艦隊主役の2隻が、ニューヨークのマンハッタン客船ターミナルで並んでランデブー停泊している珍しい写真です。
ニューヨークの88番埠頭、写真左がハドソン川上流側の北バース、右がニューヨーク湾出口方向の南バースです。北バースには、かつて客船ノルマンディーが停泊、第二次大戦勃発でそのまま係船され1942年に火災・転覆、1946年に解体されました。この写真では、北バースに客船リベルテ、南バースにイル・ド・フランスが停泊しています。この両船は1950年代、ランニングメイトとしてフレンチライン大西洋航路の定期運航を維持したので、一方がル・アーブルにいれば一方はニューヨークという関係にあり、大西洋上ですれ違う(尤も両船互いに見える距離ではありませんが)以外、一緒になることは珍しかった筈です。1950年のキャプションですが、陰を見ると陽光が強い暑い時期に見えることから、リベルテがフランス籍船への修理・改装を終えて「二度目の処女航海」でニューヨークに初入港した1950年の8月に撮られた写真と思われます。
現在のクルーズ客船といえば「豪華客船」。その象徴的な船内空間といえば数フロアぶち抜きの巨大アトリウム(ラウンジ・レストラン)です。あのタイタニックがいかに豪華客船だったとしても映画でも見られたとおり、階段以外は一等食堂といえども普通の船の天井高しかありません。南バースに停泊する1927年就役のイル・ド・フランスがこそが、この巨大空間のルーツ、つまり豪華客船のルーツです。フレンチラインの一等優遇方針に則り、イル・ド・フランスでは二等三等より一等乗客の定員の方が多く、「ギャングウェイを渡ればそこはフランス」のキャッチコピーに乗って米国人観光客の心を鷲掴みにしました。戦後は改装されて、一番後ろの3本目のダミーファンネルを撤去(トップデッキに名残が見えます)、1959年まで大西洋航路定期を務めて退役、その後日本へ回航され、大阪湾でハリウッド映画の撮影に使用された後に解体されました。史上最高の客船がノルマンディーならば、イルドフランスは史上最も優雅な客船であったと称されます。
北バースに停泊するのは、元ドイツ客船オイローパだったリベルテです。1930年の「最初の処女航海」で大西洋横断最速記録を更新してブルーリボン客船の座につきました。大戦中はヒトラーの英本土上陸作戦に向けてブレマーハーフェンで待機するも作戦決行の機会は訪れずそのまま係船、僚船のブレーメンが爆沈処分という最期を迎えたのとは対照的にクルーの必死の努力で生き残り、1947年に戦時賠償でフランスに引き渡されCGTフレンチラインの旗艦、客船リベルテとして11年ぶりにニューヨーク航路に復帰しました。全長283m、51830トンのリベルテは、今日に至るまで11隻しか建造されなかったスーパーライナー(5万トン超で航海速度28ノット以上の大型高速客船)のうちの1隻で、この1950年当時に現存する客船の中ではキュナード・クイーンズに次ぐ世界で3番目に大きな客船でした
・ 雑感
この2隻を巡るフランス人の微妙な感情について、野間恒氏は著書「豪華客船の文化史」で当時のサンデー・エキスプレスの論評を紹介しているので引用します。以下引用- フレンチラインは目下、より大型のリベルテ(元ドイツ船オイローパ)を就航させるために努力している。たとえば、その船が就航しても、フランス人の感情は、その船をフランス商船隊の旗艦にはしないであろう。その名誉は、この「リットル・ノルマンディー」と呼ばれる新しい旧船イル・ド・フランスにとっておいてある -引用ここまで 恐らく連合国の賠償委員会からオイローパを獲得しようとしていることに対する論評だったのではないかと思われます。しかし実際には、微妙なフランス人の感情はともかく、リベルテを巡る物語は戦後の上得意となるアメリカ人にとってはスパイスにこそなれ毒にはならず、それどころかリベルテは、キュナード・クイーンズとは一味違うフランスのエスプリ客船として大いなる人気を博し、11年間に渡ってフランスとフランス客船隊、その旗艦の名誉を守り抜きました (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Photo Ocean Liner INDEX
※写真画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】