● 1897年 客船カイザー・ウィルヘルム・デア・クローゼの写真 額入りジクレーアート
≪SS Kaiser Wilhelm der Gro?e, Norddeutschen Lloyd≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
撮影者 :anonymous
撮影年 :1897
額縁・マット : カマボコ型 12mm t=1.5mmx2枚ダブルマット 前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中の写真家やアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せは銀塩写真とは比較にならない耐光性を持ち数十年単位の鑑賞に耐えます。写真データに傷や劣化の補修、コントラストなどの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1897年 客船カイザー・ウィルヘルム・デア・クローゼの写真アートプリント
船名のカイザー・ウィルヘルム・デア・クローゼとは「偉大なる皇帝ウィルヘルム」の意で、ウィルヘルム1世を指します。この客船は歴史上の重要人物、ウィルヘルム1世の孫にあたる皇帝ウィルヘルム2世を抜きに語れません。ウィルヘルム2世は即位の翌年、英国の観艦式に参列、この時に強大な海軍と海運を持つことを決意し、1898年9月の演説で「ドイツの将来は海上にあり」と宣言、艦隊法を制定して英海軍との建艦競争に突入しました。先の英海軍観艦式でウィルヘルム2世の目を釘付けにしたのは特設巡洋艦として参加したホワイトスターラインの新造客船チュートニックです。ウィルヘルム2世は母方の叔父にあたるウェールズ公(後のエドワード7世)とともにチュートニックに乗船、そして「わがドイツもこのような客船を持たねばならない」と漏らしたといわれ、この意向がNDL・北ドイツロイドに伝えられました。
蒸気船による大西洋横断が始まって以来、1850年代の一時期を除き、最速記録は常に「英国製」の客船のものでした。ドイツのエンジニア、ツィメルマンは11年間に渡り英国の造船所に籍を置き帰国、技術を習得してフルカン造船所の主任設計技師となりました。NDLは早い時期から大西洋横断定期航路に進出してはいたものの、船速も乗客数も英国勢の後塵を拝していました。1880年代になるとNDLは経営陣の交代を機に攻勢を仕掛けます。当時の英国船の発着港はリバプール、郵便輸送に支障なくとも乗客数を稼ぐには英仏海峡ルートが有利です。NDLは中速中型船を建造しサウサンプトン寄港の海峡ルートで英国勢に挑み、キュナードとホワイトスターの乗客数を上回る成績をあげました。競争力維持のための船腹更新期は1890年代後半に訪れました。
皇帝の野心、技術者の向上心、新航路の成功、船腹更新、これらの条件が奇跡的に同時期に整って誕生したのがツィメルマン設計、フルカン造船所建造の客船カイザー・ウィルヘルム・デア・クローゼでした。NDL経営陣はブルーリボン(大西洋横断最速客船の称号)が集客に与える絶大な効果を認め、最初からブルーリボン奪取を契約の条件として2隻の客船を別々の造船所に発注、試運転ではなく実際に大西洋横断を一往復して所定の巡航速度を記録できない場合は船の受領を拒否するという異例の契約でした。これがどれほど厳しいものであったかは、シハウ造船所建造のカイザー・フリードリッヒが所定の速度に達せず実際に受領拒否されたことでもわかります。史上初の4本ファンネル客船だったカイザー・ウィルヘルム・デア・クローゼは1897年、ドイツに初めてのブルーリボンの座をもたらしました。英国の独壇場と思われた最大最速客船の座は、以後10年にわたってドイツが独占することになります。写真は1897年フルカン・シュテッティン造船所の艤装ドライドックにて就役直前に撮影されたものです
・ 雑感
話題のブルーリボン客船であったカイザー・ウィルヘルム・デア・クローゼの4本ファンネルは大成功で、ポスターや広告に描かれた4本ファンネルを想像していた船客が、4本ファンネルではない客船に乗らずにクレームを付けたとか、4本ファンネルの船に乗るために出直した・・・などといった挿話も伝わっています。どれだけ人気があったかといえば、あのタイタニックは4本ファンネルながら最後部の1本はダミーで、4本ファンネル人気にあやかったという事実もあります。米国移住の乗船客にとっては一生に一度の大冒険、いずれ乗るなら当代最高の客船に乗りたい・・・尤もです (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Photo Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】