● 1894年 キュナードライン 客船ルカニアの写真 額入りジクレーアート
≪SS Lucania, CUNARD LINE≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
撮影者 :John S. Johnston
撮影年 :1894
額縁・マット : カマボコ型 12mm t=1.5mmx2枚ダブルマット 前面1.5mm厚クリアーガラス
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 525mm x 410mm
作品サイズ : 407mm x 272mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは417 x 282mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中の写真家やアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せは銀塩写真とは比較にならない耐光性を持ち数十年単位の鑑賞に耐えます。写真データに傷や劣化の補修、コントラストなどの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1894年 客船ルカニアの写真アートプリント
余り知られていませんが、通称「キュナードライン」の発足当初の正式社名は「British and North American Royal Mail Steam-Packet Company」といい、創業者のサミュエル・キュナードが1865年に亡くなる頃以降、社業であった英国政府委嘱の大西洋横断郵便輸送は事業の柱であったものの、大西洋航路収益源の乗客輸送へのシフトには取り残されます。理由のひとつは、英国海軍省との保守的な郵便輸送契約にスクリュープロペラ船が禁じられていたことで、外輪船は同じ速度を得るためにほぼ倍量の石炭を必要としました。競合他社がスクリュー船でスピード競争を繰り広げ収益を上げるのを横目に、採算ギリギリの郵便輸送に甘んじているうちに会社の体力は奪われ、スクリュー船が解禁されても新鋭船の建造には手が届かなかったようです。変化は1879年に訪れます。社名を「Cunard Steamship Company, Ltd 」に改め経営陣を一新、株式を公開して資本増強に成功しました。
華やかに見える大西洋横断速度競争は安全やサービスの質とイコールではないものの、乗船客獲得には最新鋭の客船、すなわち大衆が注目する速度競争の影響が大きかったことは事実で、郵便輸送契約さえも乗客獲得の「安全のお墨付き」と化していました。大幅な増資に成功したキュナードラインは、1885年に客船エトルリア級姉妹船を建造、運良く英国政府の特設巡洋艦転用商船への造船技術と補助金供与の方針に合致し、両船は大西洋横断最速記録を更新、キュナードラインは再び大西洋航路のトップグループに躍り出ました。絶大なる大西洋横断最速記録=ブルーリボンの効果で大幅増収を果たし、1890年に一旦はホワイトスターラインのチュートニック級姉妹船に最速記録を渡したものの、1893年には本船カンパニア級姉妹船を就役させ再び最速の地位を取り戻しました。カンパニア級客船の性能と船内設備が当時いかに追随を許さぬ出来栄えだったかは、ホワイトスターラインが以後、速度競争から身を引いたことからも理解されます。
客船ルカニアは全長190m、1万3000トン、三段膨張機関で三万馬力超、キュナードではカンパニア級一番船に次ぐツインスクリュー船で、ツインスクリューによって帆装が廃止された二本マストを持つ二本ファンネル船でした。究極の蒸気レシプロ、三段膨張機関は、ウィリアム・ピアースが実用化に成功しフェアフィールド造船所は19世紀の最後の30年間に賞賛を独占しますが、一方で船体鋼材の進歩も著しく、カンパニア級客船に使用された鋼材は重く、一番船のカンパニアは無事に竣工したものの二番船のルカニアでは重い鋼材に音を上げた労働者の争議に発展しました。このために、カンパニアで発生した振動対策も含め就役は1894年にずれ込みましたが、一番船のカンパニア同様、ルカニアは処女航海でいきなり大西洋横断速度記録を更新、以後4年間に渡り大西洋横断速度記録に与えられるブルーリボンの称号はカンパニアとルカニアが独占することになります。写真は1894年、ニューヨーク港外で撮影されたものです
・ 雑感
蒸気レシプロ機関は、キュナードの客船カンパニアとルカニアで完成の域に達したといわれています。今日でも両船に搭載された蒸気レシプロエンジンは史上最大とされています。1900年に就役したドイツの高速客船カイザー・ヴィルヘルム・デ・グロッセは、確かに早く、三段膨張でしたが4シリンダー、カンパニアとルカニアは5シリンダーでした。蒸気圧が安定して確保されていればシリンダー数はそのまま効率が高いことを示します。ちなみに、ドイツのドイチェラント(ハパグ)以降、6シリンダーまで三段膨張機関のマルチシリンダー化は進みましたが、やがて英海軍の弩級戦艦で採用されて以降、大型船の機関は蒸気タービンへと移ってゆきます (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Photo Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
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